第25話 年齢=彼女いない歴はイヤダ!


「そして、私のカラダを好きにできる」


 なにィッ!?


 オウカは、女戦士系のコスプレが似合いそうな2・5次元美女で、背は程よく高くて手足はスラリと長く、童貞殺しどころか童貞虐殺の豊乳豊尻ボディだ。


 俺の顔なんて、まるごと埋もれそうなおっぱいだ。


 ――こ、このカラダを、好きにできるだと?


 正直、地位や名声に興味はない。


 生活レベルだって、日本の庶民の方がよっぽど贅沢だ。


 でも、恋人は。


 うちの学校の女子は、正直微妙なのばかりだし、わずかな美少女は運動部のエースとか読モやってる奴とか高ヒエラルキーとよろしくやってるビッチばかりだ。


 オウカは、うちのクラスの誰よりも美人で胸が大きい。


 むしろグラビアモデルだって比較にもならない。


 今後、日本でこれほどの逸材とお近づきになれる可能性なんて、ゼロと言っても過言じゃない。


 リアリストな今どき男子の頭脳で冷静に考えれば、俺は将来、一生独身の魔法使いルート確定か、よくて世間体を考えた愛のない結婚のあと、倦怠期からの熟年離婚ルートだろう。


 でも、でもでもでも。


 ごくり。


 落ち着け、落ち着くんだ翔太。


 あのスカートが張り裂けんばかりの尻たぶを、あのスーツがはち切れんばかりのおっぱいを、俺の両手で、顔で、口で、好きにできる。


 ごぐり。


 ほ、ほしぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!


 いまが人生の分岐点。このチャンスを逃せばもう一生、男の本会を遂げることはできないだろう。


 上手いこと日本に帰れても、一生後悔するだろう。


 未来が見える!


 童貞のまま三十をすぎて、部屋で一人寂しくエロ動画を見ながら自身を慰め、『あのままオウカと結婚していたら今頃』と後悔にむせび泣く未来が見える!


 無限の欲望と誘引力に、俺の下半身は全身の意志力を吸い上げ、体の主導権を奪おうとしてくる。


 17年間培われた理性は、もう風前の灯だ。


 耐えろ、耐えるんだ俺! ここで屈したらもう日本には帰れないんだぞ!


「私も今年で十八歳だ。恥ずかしながら、そういうことに興味もある。しかし、大統領になってから近づく男など信用できない。それでも、君は別だ」


 ご、ごぐ…………っ、息が、飲めない。


 だがしかし、俺はなけなしの理性と、女で身を滅ぼした男たちのエピソードを足掛かりに、マグマのような衝動を抑え込んだ。


 頭の中に黒い霞みがかかる。


 Y染色体由来の衝動が下半身でうねりを上げる。


 理性も思考力も、何もかもがおぼろげに掻き消えていく。


 いや、だまされるな。そんなこと言って、どうせ結婚したら手も握らせてくれないとかに決まっているんだ!


「子供はそうだな、十人は欲しいな」


 ほぁあああああああああああああああああああ!


 オウカが、ロケットバストの下で腕を組み、むぎゅりと寄せてあげて強調した。


 途端に、俺の下半身には電流が奔り、意識は白く飛ばされた。


 爆音が鼓膜を叩き、瓦礫が崩れる重低音の衝撃が聴覚を独占した。


「なにごとだ!」


 どうやら、爆轟は本物だったらしい。


 オウカが、窓に取りついた。


 俺も外に視線を投げると、街の一角から黒煙が上がり、月明かりの下で反逆の狼煙とばかりに空へ昇っていく。


「姉様!」

「オウカ殿!」


 ナナミとカナ、それに、他の隊長たちが、寝室になだれ込んできた。


 まだ何もしていないのに、俺は秘密の情事を盗み見られたような後ろめたさに、心臓がドギマギしてしまう。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 本作【美少女テロリストたちにゲッツされました】を読んでくれてありがとうございます。

 おかげで7000PV達成です。

 さらに、フォロワー数137人で100人達成。

 ★も51個で50越え達成。

 応援数、♥も96で間もなく100に届きます。

 ここまで応援してくれた皆様に感謝です。


 本作に★をつけてくれた

ESG000さん  ryulion21さん links07さん nakanaka8187さん you_wwwさん

 エピソードに♥、応援をくれた

Aidenさん  you_wwwさん kumamonさん farandollさん yutaka0221さん 

8289さん yanma0x0さん gyalleonさん rntoさん usamarukaitoさん

圏外さん yuma02さん nakanaka8187さん sutegon24zさん

ESG000さん  p-sosshyさん Liise18さん

 私を自身をフォローしてくれた

kazu1202さん sauraさん n5hl_14n5さん しおいさん 猫鍋さん sutegon24zさん

gyalleonさん souma1214さん okawaさん yuma02さん prono5010さん az2746ikmさん よっちさん 482459さん 


皆様、本当にありがとうございました。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 補足

 本編で使われている【魔法使い】という表現ですが下ネタすいません。

 若い人とか知らない人のために説明します。

 オブラートに言うと年齢=彼女いない歴のまま30歳を迎えた人のことです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る