キックバトルバードの水炊き
大きな鍋に野菜と豆腐、キックバトルバードの肉を盛り付けて、そこに先ほど引いた白湯スープを流しこむ。それを何個か用意して、カセットコンロと一緒にみんなが休んでいるテーブル席へと持って行った。
「みんなお待たせ。」
「できたのね?さっきからいい匂いがこっちにず~っと流れてきてて、お腹が鳴りっぱなしだったわ。」
「みんなが倒してくれたキックバトルバードなんだけど、ちょっと味見したらすごく美味しい鳥でな。だから今日はこのキックバトルバードを一番味わえて、尚且つ体が温まる鍋を作ったんだ。」
すると、鍋というワードにいろいろな人物が反応した。
「鍋っ!?ならコラーゲンはあるの?」
真っ先にそんな声をあげたのはリリンだ。彼女は結構コラーゲンには敏感だからな。
「前みたいにコラーゲンの塊……みたいな感じじゃないけど、骨を粉々に砕いて出汁を引いたから、ある程度はコラーゲンの抽出はできてると思う。」
「入ってないより全然いいわよ。」
「コラーゲンを取りたかったら、スープをたくさん飲むといいかも?って感じだ。」
「じゃあ今日はそう心掛けながらあなたの料理を楽しもうかしら。」
コラーゲンが入っていると知るや否や、急に上機嫌になるリリン。しかし、この鍋……実は最後にスープもすべてお腹の中に納まるように、とあるものを用意しているのだ。
「でも、あんまりスープを飲みすぎちゃうと……最後後悔するかもしれないぞ?」
「どういう意味かしら?」
「それは最後のお楽しみってやつだな。」
「……最近分かったのよ。あなたのそういう忠告は素直に聞くべきってね。だから、その最後ってやつを楽しみにしておくわ。」
「あぁ、そうしてくれ。」
そしてみんな集まって一つのテーブルを囲んだところで、俺はカセットコンロに火をつけた。すると、数分してぐつぐつと沸騰する音が聞こえてきた。
「よし、それじゃあ蓋とるぞ~。熱い蒸気に気をつけてな。」
鍋の蓋を取った瞬間、ぶわっと香りが蒸気と共に溢れ出した。
「さ、それじゃあ食べよう食べよう。明日への英気を養うために、みんなたくさん食べてくれよ?」
「「「は~い!!」」」
「それじゃあ、早速……いただきます。」
「「「いただきま~すっ!!」」」
みんなで手を合わせ、いつもの食前のあいさつをしてから、一斉にキックバトルバードの水炊きを食べ始めた。
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