第2回家族会議


 ミルタさんから話を聞いた後に、魔物に詳しいジルのところにも寄って、いろんな珍しくて美味しいと言われている魔物のことを聞き出し、それをリスト化して俺はエルフの国へと持ち帰った。


 そして夕食後、またしても家族会議が開かれた。今度の司会進行役は俺だ。


「はい、それでは第2回家族会議を始めま~す。今回の議題は何を目標にして旅をするのか……です。」


 そんな始まりの言葉に、師匠がツッコミを入れてきた。


「何を目標にって、美味しいものを巡りに行くんだろう?」


「美味しいものでもいろんな種類があるじゃないですか。例えば大衆的に美味しいものとか、希少性が高くて美味しいものとか……。」


「ふむ確かに。」


「で、今日いろいろと聞きまわって、俺たちがまだ見たこともなくて美味しいと言われている食材とか魔物をリストアップしてきたので、それをもとに第一目標になるものを決めようってお話です。」


「理解した。では続けてくれ。」


 そして俺はさっそくミルタさんやジルから聞いてきた、美味しくて珍しい食材や魔物を一つずつ話し始めた。


「まず俺が面白いなって思ったのは、ゴーダバッファローって言う魔物です。」


「あ、アタイその魔物の名前は聞いたことあるよ。確かツンドライサに現れるって魔物じゃないかい?」


 どうやらドーナはゴーダバッファローという魔物を知っているらしい。


「今まで何人もそいつの姿を見ようと挑んだらしいけど、誰も雪山から帰ってこなかったって噂だよ。」


「あら、それ面白そうじゃない。逆に言えば、まだ誰もその魔物を食べたことがないってことでしょ?ワタシたちが一番乗りになればいいじゃない。」


「それもありだな。でもまぁまぁ他にも候補はあるから聞いてくれ。次は……。」


 そして俺がリストアップしてきた魔物や食材を話していったが、みんなの興味は一番最初に話したゴーダバッファローに集中していた。


「今ので一応最後だが……これから多数決をとって最初の目標を決めようと思う。最初に話したゴーダバッファローを最初に目標にしたい人は手を挙げてくれ。」


 すると、もれなく全員の手がびしっと上がった。これではもう次を聞くまでもないな。


「それじゃ、俺たちが今回の旅で最初に目標にするのは、ゴーダバッファローに決定します。」


「「「おぉ~っ!!」」」


 さて、そうなると最初に目指すことになるのはツンドライサって村か。なんか名前から寒いのが伝わってくる村だし、防寒対策は馬車ができるまでの間に整えておこう。




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