王都に開いた巨大な穴
キースから聞いた情報をもとに、魔物の発生源らしい場所へと、地上の魔物を蹴散らしながら向かう。するとその場所へと近づいていくごとに、どんどん魔物の量が多くなってきた。
「近づいてるってことなのかな。魔物が多すぎて前も見えないな。」
空に飛びあがって確認すれば早いのだが、できれば魔物は多く倒しておきたいし、このまま突き進むか。
「一回道を大きく切り開くか。」
魔物の大群から一歩下がって、両手を前に突き出した。
「ブリザードブレス。」
建物に被害が及びにくいブリザードブレスを正面に向かって放つ。頭の中で扇状に広がるようにイメージして放ったブリザードブレスは、俺のイメージ通りに魔物を凍らせながら広がっていく。
「さて、一気に行くぞ。」
凍った魔物を打ち砕きながら、一気に魔物が湧いているという場所へ突き進む。すると、魔物がぞろぞろと這い出してきている大穴の前に辿り着いた。
「これは……何が起こってこんな穴が。この下には何があるんだ?」
魔物は絶えず這い出してきているし、穴の底は見えない。
「何があるのか確かめるには下りてみるしかないよな。」
どのぐらいの深さの穴なのかもわからないので、俺は龍化して生やした翼を羽ばたかせながらゆっくりと穴を下りていく。
「どんだけ湧いてきてるんだこの魔物は……そもそもどうしてこんなところから魔物が湧いているんだ?」
そんな風に疑問を抱きながら、かなり深くまで下りてくるとようやく地面が見えてきた。
「ん?何かある……あそこから魔物が出てきてるぞ。」
そこら中に魔物が犇めいていて、足の踏み場もなかったので魔物を踏みつぶしながら大穴の底に着地した。
「アレを確認するにしても一回ここを綺麗にしないとな。」
大穴の底に犇めいている魔物を掃討し、俺は魔物が湧きだしている根源の前に立った。
「これは大きな門なのか?」
魔物が湧きだしてきていたのは、俺の身長の何倍もある大きな門のような建造物の奥からだった。ここから今も尚続々と魔物が姿を現している。
「どうすればいいかなこれは……。根源をつぶすなら中に入ったほうが良いんだけど、戻ってこれるかな。」
ここで悩んでいる間にも、魔物がどんどん出てきている。
「仕方ない、何が待ち受けているかわからないけど……行くしかないか。」
今ここで迷っていたって、湧き出す魔物が止まるわけじゃない。この異変を解決するなら中に入って原因を突き止めるほかない。
そう判断した俺は、門の中から出てくる魔物を倒しながらその中へと足を踏み入れた。
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