奮闘する兵士たち
王城へと行く途中、見覚えのある人物が兵士を率いて魔物の大群と戦闘をしているのを発見する。
「あれは……確かキースって名前の人だな。」
見たところ、魔物一匹一匹も手強い上に数も多いため、かなり押されているようだ。
「ぐっ、お前たちっ!!踏ん張れよ……ここを突破されたら城が落ちるぞ!!」
彼は魔物の攻撃を盾で受け止めながら、部下の兵士たちを鼓舞するが、それを潰すように他の魔物が攻撃を仕掛けようとしていた。
「おっと、それは危ないな。」
ぐっと踏み込んで一気に魔物の集団の中へと突っ込み、キースを攻撃しようとしていた魔物を蹴散らした。
「大丈夫か?」
「あ、あなたはっ……。」
「話は後だ、一先ずここの魔物を片付けよう。」
「りょ、了解です。」
そこでキース達兵士と協力して、押し寄せていた魔物の一団をいったん退けることに成功した。そして状況が一度落ち着いたところで、俺は彼にこの状況についての説明を求めた。
「ひ、ヒイラギさんありがとうございました。おかげで助かりました。」
「お礼はいいよ。それより、この状況は何がどうなってるんだ?なんでこんなに急に魔物が湧き出した?」
「それが……我々もあまり詳しい状況が把握できていなくて、ただひとつわかっているのは王都の地下から湧きだしたという事だけなんです。」
「そうか、じゃあ城の方の状況は?エートリヒたちは無事か?」
「湧き出した魔物が何匹か城を襲撃しましたが、そちらは対処済みです。既に国王様方も安全な場所に避難しています。」
「なら安心だな。」
そうなると王城にエートリヒの安否を確認しに行く必要もなさそうだ。なら、今一番確認しに行かなきゃいけないのは……。
「その魔物の湧いてきた場所はどこかわかるか?」
「一応把握はしていますが、い、行くつもりですか!?」
「誰かがその発生源を確認しに行かないと、事態が収束しないだろ?この状況だと、実力的に向かっても大丈夫なのは俺だけだと思うしな。」
「う、で、ですが……。」
「大丈夫、絶対無事に戻ってくるから。」
「わかりました……でも私はここを離れるわけにはいきませんので、場所だけお伝えします。」
「あぁそれで構わない。」
そしてキースから魔物が湧いてきたという場所を教えてもらい、俺はそこを目指して進むのだった。
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