掃除屋ミクモ
お金を払った後、メーネルからこの建物の所有証明書と土地の所有証明書等をまとめて受けとった。これは大事に保管しないといけないから、リコに渡しておこう。
「では、本日は良い取引をありがとうございました。」
「うむ、すまなかったのメーネル。」
こちらにペコリと一礼すると、メーネルは王宮の方へと歩いていった。
「さて、あとは清掃業者を雇って中の清掃をしてもらって……新しく買い替えないといけない調理器具もあるな。」
この分だとまだまだお金がかかるな。
「掃除なら業者に頼まずとも、妾がやってくれようぞ?」
「本当か?相当広いぞ?」
「うむ。問題ない。」
ミクモはゴソゴソと、ポケットからお札のようなものを何枚か取り出した。
「ゴーレム召喚じゃ。」
すると、ドロン……という音と白煙とともに、木の人形がお札の枚数だけ出現する。
「これは?」
「魔物肉専門店の店主と地下の研究者が開発した、魔力を込めることで動く
「そんなことまでジル達はやってるのか……。」
「あいにく、妾ほどの魔力の持ち主でなければ動かせぬ代物らしいがの。」
そう言いながら、ミクモはどこから取り出したのか、箒と雑巾をそのゴーレム達に持たせていく。
「お前たちに命令を言い渡すのじゃ。この建物を、ピカピカに綺麗にするのじゃ!!」
そしてミクモから命令が下ると、ゴーレム達はノソノソと歩いて建物の中へと入っていき、掃除を始めた。
「ほぉ〜、こいつは凄いな。」
「動きは鈍いが、意外と思うように動くではないか。」
「これ、ミクモの魔力が切れるまで動き続けるのか?」
「うむ。じゃが、今のところ魔力の消費より回復が多いからの。実質的な永久機関のようなものじゃな。」
「じゃあ一先ず任せても大丈夫かな?」
「うむ。これから妾も掃除に加わるからの。なるべく綺麗にしておくのじゃ。」
「うん、それじゃ頼む。」
そして次の目的地に行こうとすると、ユリが声を上げた。
「社長、アタシも掃除を手伝ってもいいかな?」
「別に良いけど……無理はするなよ?ユリだって今日は疲れてるんだからな。」
「約束する!!」
「わかった。じゃあ頼むぞ?」
ユリとミクモの二人に掃除を任せて、俺は次なる目的地へと足を進めるのだった。
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