レインガルーダの買い取り金額は…


 いつもの応接室へと通され、お茶とお茶菓子が運ばれてきたところで、早速俺は今日ここにやってきた経緯をジルに話した。


「今日ここに来たのは、解体してほしい魔物と、買い取ってほしい魔物がいたからやってきたんだ。」


「おぉ、そういう事でしたらお任せください。ではまず、買い取ってほしいという魔物から拝見しても?」


「あぁ、この魔物なんだ。」


 俺が未処理のレインガルーダを取り出すと、彼はパッとすぐにこの魔物の名前を言い当てた。


「なるほど、レインガルーダでございますね。」


「この魔物はこの国にもいるのか?」


「生息数は少ないですが、高山地帯に行けば会うことは可能です。ですのでこの国では一応珍しい魔物と認知されております。」


「なるほどな。」


 俺は未処理のレインガルーダを一度しまって、今度は羽根を取り除いて、食用に処理したレインガルーダをジルに見せた。


「それで、今回買い取ってほしいのは、こんな感じで食肉用に処理を終えたレインガルーダだ。」


「一度肉の状態を確認しても?」


「もちろん構わない。」


 彼にレインガルーダを手渡すと、首の切断面などをじっくりと観察し、一つ大きく頷いた。


「完璧な処理が施されておりますな。これであれば何も問題はありません。満額で買い取りましょう。」


「ありがとう、ちなみに内臓はつけてあるからジルが食べられるかどうかは判断してくれ。」


「かしこまりました。ではこちらレインガルーダは……そうですね、1匹金貨2枚で如何でしょう?」


「ミース、1匹金貨2枚で買い取ってくれるってさ。」


 まだ獣人の言葉を理解できていないミースに買い取り金額を伝えた。


「えっ、そんなにいい金額で買い取ってくれるんですか?」


「らしいぞ、ミースがこの金額でいいなら、このまま進めるけど。」


「それでいいですっ!!ぜひお願いします!!」


「じゃあジル、それで頼む。」


「かしこまりました。」


 彼に俺が持っていたレインガルーダを全て預け、金貨の入った袋と交換してもらう。


「普段からお世話になっているので、未処理のレインガルーダも満額で買い取らせていただきました。ですので白金貨1枚と、金貨が20枚入っております。一度間違いがないかご確認ください。」


 ミースは中に入っている金額を確認して、一つこくんと頷いた。


「ではこれで取引完了という事で、次は解体してほしいという魔物のことについて伺いましょう。」


「あぁ、ここじゃ狭いから、解体場に行こう。」


「ではグリズ達も呼んでおきましょう。すぐ駆けつけてくれるはずです。」


 そして俺たちが解体場に移動してから数分するとグリズ達も到着し、準備が整ったところでいよいよグリフォンを取り出すためにマジックバッグに手を入れた。

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