ミース初めての獣人の国
転送の結晶に魔力を込めると、ミースとウォータードラゴンと一緒に獣人族の王都へと俺達は移動して来ていた。突然の出来事にミースは眼を見開いている。
「へ……えっ!?何がどうなって……。」
「俺が持ってるこの結晶を使って、一瞬でこの獣人族の王都にやってきたってわけだ。」
「ま、またとんでもないものを持ってますね。」
「俺が作った物じゃないけどな。エルフの最長老のカリンって人にもらったんだ。」
「入手の経緯もとんでもないですね。」
すっかり呆れてしまったようでミースは乾いた笑みを浮かべていた。
「さて、じゃあ早速向かおうか。」
「ちなみにどこに行くんです?」
「この国にある魔物の肉を専門に扱ってるお店だ。」
「えぇ!?そんな場所があるんですね……流石は獣人の国。」
「美味しい魔物のお肉があったら買ってもいいですねぇ~。」
そして二人を連れて市場の方へと歩いて行く。その途中、俺はミースにギルドが預かった魔物のことについて問いかけてみた。
「なぁミース、一つ質問なんだが、素材として売りものにならないような魔物とかってどうするんだ?」
「基本的には燃やして廃棄ですね。」
「食べようと思ったことは?」
「あんまり……そういう挑戦はしないですね。下手にお腹を壊しちゃったりするのも良くないので。」
「もしかすると、素材にならなくても、食べれる魔物だったら買い取ってくれると思うぞ。」
「それはとってもありがたいですね!!」
そんな話をしていると、俺はマジックバッグの中にある魔物が解体されずに残っていたことを思い出した。
「あ、そういえばあの時オークの解体見学に夢中になって、グリフォンの解体を依頼するの忘れてた。アレも一緒に解体してもらおう。」
「グリフォンの解体もお願いするんですか!?」
「あぁ、そのつもりだ。」
「それを見学とかって……。」
「できると思う。」
「はぁぁぁ~、もうこの目に焼き付けておかなくちゃ。もうこの先の人生で見ることなんてないですからね!!」
そんな話をしていると、あっという間に魔物肉専門店の前についてしまう。
「さてさて、ジルはいるかな。」
そして店の扉に手をかけると、背後から声をかけられた。
「おや、ヒイラギ様。」
「ん?その声はジルか。」
後ろを振り返ると、そこには俺のお店で販売しているお菓子の入った紙袋を抱えているジルがいた。
「いらっしゃいませ、本日は何を持ってきてくださったのですかな?」
「きっとジルも喜んでくれるものを持ってきたんだ。」
「おぉ!!それはそれは、ぜひ中でお話を伺いましょう。お連れ様のお二方もどうぞお入りください。」
彼に中に通されて、いつもの応接間へと案内された。
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