実食!!レインガルーダ


 俺も豪快に丸のレインガルーダにかぶりついてみる。


「んむっ!!」


 かぶりついた途端に溢れ出すのは、旨味が凝縮された甘い肉汁。


「ん〜っ、美味いなぁ。肉質もしっかりとしてて、臭みもない。更に旨味も強いし……食用にはかなり適してるな。」


 レインガルーダを味わっていると、すでに骨まで完食してしまったらしいウォータードラゴンが、指を咥えて物欲しそうにこちらを見つめていた。


「俺の食べかけだけど、食べるか?」


「良いんですかぁ!?」


「もうどんな味なのか、わかったからな。」


「ありがとうございます〜♪」


 そして彼女はまたしてもバリバリと、骨一つ残さずレインガルーダを完食してしまった。


「ごちそうさまでしたぁ〜。すごく美味しかったですよぉ。」


「間違ってもそっちのレインガルーダを食べようとはするなよ?」


「大丈夫ですよぉ、さっきみたいに料理してくれたやつじゃないと、絶対美味しくないですもん。」


「どこまでも食には正直だな。」


 レインガルーダの試食を終えた後、俺とウォータードラゴンはギルドへと引き返すのだった。


 二人でギルドに戻ってくると、ウォータードラゴンが肩に背負っていた大量のレインガルーダを見て、ミースがギョッと驚いていた。


「お、お疲れ様です。ベールさん、ヒイラギさん。随分たくさん倒してくれたんですね。」


「これ全部オスですよぉ〜。メスもいたんですけどぉ〜、卵を守ってたみたいなのでぇ、そっとしておきましたぁ。」


「あ、環境への配慮ありがとうございます。じゃあ早速数えるので、向こうに行きましょうか。」


「は〜い。」


「俺はここで少しゆっくりさせてもらうよ。」


 ミースとウォータードラゴンが確認のために向こうに行ったのを見送った後、俺は一つ飲み物を注文して、それを飲みながらゆったりと時間を過ごすことにした。


 その最中、俺はテーブルの上にミースが残していった依頼書が入ったファイルに目が留まる。


「最近はどんな依頼が舞い込んでるんだろうな。」


 ファイルを開いてみると、依頼は冒険者のクラス毎に分けられているようで、最初は簡単な依頼がズラリと並んでいた。


「難しい依頼はないかな……。」


 受ける人がいない難しい依頼を探していると、一つ面白いものを見つけた。


「ふっ、ウォータードラゴンの討伐か。」


 白金級以上の冒険者限定の依頼。報酬は白金貨50枚か。


 まさかミースもこんなところに、ウォータードラゴンがいるなんて思ってないだろうな。


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