事業拡大計画②
一通り書き終えたところで早速俺は説明に移った。
「まず支援の流れを説明する。」
俺はまずエルフの国と書かれた文字を杖で指し示す。
「まず俺たちが普段お菓子に使うような食材を、獣人族の国に買い取ってもらう。で、その食材を孤児院に寄付してもらう。」
エルフの国から獣人族の国へ、そして孤児院へと杖を動かしながら説明する。
「で、ここからが重要だ。その孤児院に流れた食材を、俺たちがそこにいる子供と協力してお菓子や調味料などに変えて販売する。」
そう説明していると、ハリーノが手を挙げた。
「しゃ、社長~。一つ質問良いですかぁ?」
「あぁ、なんでも聞いてくれ。」
「そ、それってぇ、私たちに利益って出るんですかぁ?」
「利益は最初の内は、売り上げを孤児院とこちらとで分けるから、ある程度は出る。子供たちが自分たちだけでお菓子の製作から販売までをできるようになったら、俺たちの支援は終了する。」
「社長っ、アタシからも一つ質問があるぞ!!」
今度手を挙げたのはユリだ。
「はい、なんでも聞いていいぞ。」
「そ、その子供たちには、アタシ達が普段から売っているお菓子の作り方を教えるのか?」
「いや、俺たちと同じものを売っても、差別化ができないから客足が付きにくい。だから、子供たちと作るのはまた別なものを作る。それのレシピは、この子供たちの支援担当になった人たちだけに配る予定だ。」
「も、もう一つ質問したいぞ社長。」
「どうぞ。」
「そ、その担当はどうやって決めるんだ?しゃ、社長が振り分けるのか?」
「いや、これに関しては立候補形式にする。立候補の人数が足りなかったら、後々俺からお願いできないかなって、声をかけさせてもらうかな。あ、それと……。」
俺は紙に現在のみんなの基本給を書いていく。
「この支援活動に参加してくれる人には、基本給に加えて、特別手当も支給する。」
その基本給の隣に、特別手当を含めた後の金額を書くと、何人かのエルフたちの目がキラキラと輝いた。この反応を見る限り人手に関しては心配しなくてもよさそうだな。
「とまぁ、今後考えてる事業拡大計画の説明はこれで終わりだ。もし支援活動に参加したい人は後で俺のところに来てくれ。それじゃ、今日のところは解散という事で。」
みんなが帰る用意を進めている最中、俺は立候補する人が現れるかを待っていると、真っ先にユリが俺のもとへやってきた。
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