近付く寒期


 お昼の用意が整いつつある頃、遊びも一区切りつけたシア達が二階から降りてきた。


「ごは〜ん!!」


「いいにおい…おなかぺこぺこ。」


「お、お腹減ったね。」


 お昼ごはんを待ち遠しくしているシアとメリッサの横で、少し申し訳無さそうな表情をマドゥが浮かべていた。


「お兄さん!!今日のお昼ご飯なに〜?」


「今日はうどんだ。」


「「うどん!!」」


 一度うどんを食したことのある二人は、以前食べたきつねうどんを思い出したようで、目を輝かせる。


 その反応はソファーでくつろいでいたドーナ達も同じだった。


「あら、うどん良いわね〜。最近少し肌寒くなってきたし、温かい食べ物で体を温めたいわ。」


「そろそろが近づいてきてるからねぇ。」


 そうランと話していたドーナから、聞き慣れないワードが飛び出した。


「ドーナ、そのってのはなんなんだ?」


「その名の通り、気温が一気に下る時期がもうそろそろやってくるんだよ。」


「日本で言う冬みたいなものか。」


「ちなみに場所によっては、雪とかも降ったりするよ。」


「ほぉ!!雪も降るってことは相当寒くなるんだな。」


 向こうの世界との共通点に親近感を感じていると、シアがふるふると体を震わせながら言った。


「シア、寒いの嫌い。」


「寒いのが嫌いな人のために作られた、ありがた〜い家具があるから、近々使ってみよう。」


 ありがたいものではあるが、一度入れば二度と出たいと思わなくなってしまう魔性の家具が……な。


「でも寒くなってくるってことは、魚も美味しくなる時期だな。」


「どうして寒くなるとお魚さんが美味しくなるの?」


「魚も寒さに耐えるために体に脂肪をいっぱい蓄える時期なんだ。だから、お魚がとっても美味しくなるってわけだ。」


「ならシア寒いの好きになるっ!!美味しいお魚食べたいもん!!」


「ははは、そうだな。」


 ポンポンとシアの頭を撫でたところで、みんなに今回のうどんバイキングの説明をしていく。


「それじゃあ、今日のお昼なんだけど、うどんは俺が茹でてあげるから、各々好きな天ぷらとか薬味とかを乗せて、自分好みのうどんを作ってくれ。」


 そして俺からの説明を聞いたあとで、みんな各々自分オリジナルのうどん作りに励むのだった。

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