神気を増やす方法


 イリスは少し難しい表情をしながら、神気の最大量を増加させる方法について語り始めた。


「神気の最大量を増加させる方法は、今のところ一つしか無いんです。」


「その方法ってのは?」


「信仰心を集めるしかないんです……。」


「なっ……信仰心って、イリスとかが教会とかで集めてるアレか!?」


「はい……。」


「それは俺が集めるのは無理だなぁ。」


 流石に俺はイリス達のような女神と違って、周りから信仰されるような存在ではないし……。信仰を集めるのは無理だ。


 神気の最大量を増やすことが無理となれば、何か他の方法を考えないとな。


「ちなみにヒイラギさんは先日デミゴッドになりましたけど、デミゴッドという種族がたくさんの信仰心を得ることで、私達のような神の仲間入りを果たすんです。」


「信仰心を集めると更に進化するってわけか。」


「ただ、しっかりとした肉体があるのはデミゴッドまでで、本当の神になると肉体が失われてしまいます。」


「その失った肉体を、師匠の体を依り代にして取り戻そうとしてるのが、死の女神の計画ってわけだろ?」


「そういうことになりますね。」


 その死の女神の計画を阻止するにも、この神気というものの扱いを極めることは大事だ。


「うっし、最大量を増やすのが無理なら……消費量を減らせるように頑張ってみるか。」


 神気闘法を使っている間は、常に神気が減り続ける。攻撃していないときでも減るってのが、デメリットだよな。

 なら……攻撃するときだけ一瞬、神気闘法を使って攻撃するとか……。


「あ、ヒイラギさん。神気の扱いを練習するなら、神華樹をすぐ側に置いておくと良いですよ。あれから神気が溢れ出してるので、補給がすぐできるんです。」


「なるほどな、なら早速やってみるか。」


 イリスの助言通り、神華樹を近くに置いて、俺はまた試行錯誤しながら神気の扱いを練習し始める。


 すると、一度神気を使い切っても神華樹が近くにあるおかげで、すぐに満タンまで回復するようになっていた。


「うん、最初のうちはこれを置いといた方が良さそうだな。」


 何かきっかけを掴むまでは、神華樹という補助輪があったほうが、効率は良さそうだ。その後は感覚を体に叩き込まないといけないから、神華樹無しでやらないとな。


 そして俺は、昼までぶっ通しで神気を扱う練習を続けたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る