進化するヒイラギ
ステータスを開いて、自分のステータスを確認してみると、種族が書かれている項目が人間から別のものへと変わってしまっていた。
「なんだこれ、
種族の項目が、人間からデミゴッドという聞き慣れないものへと変わっていた。
「イリス、このデミゴッドって種族は何なんだ?」
「デミゴッドは、神気を自ら生み出せるようになった生命体の事を言います。」
「……つまり、種族のところにそう書いてあるってことは、俺の体がそうなっているということか。」
「そうですね、神華樹の果実によってヒイラギさんの肉体が少し変化した結果です。」
「ふむ。」
なんか、姿形は人間そのものだから……種族的に人間をやめてしまった感じはしない。
「ステータスは……前に見たときとあんまり変わってない。スキルはどうだ?」
スキルを確認してみると……以前1人用のダンジョンの攻略報酬の宝玉によって手に入れた、???のスキル。これがしっかりと名前のあるものへと変わっていた。
「神気生成……。これがスキルの正体だったのか。」
「そのスキルは名の通り、体の中で神気を作るスキルです。」
「その神気って何に使うんだ?」
「例えば、邪悪なものを浄化したり……邪なものを遠ざけたりできますね。」
「ふむ、なかなか使いどころは局所的だな。」
「ふふふ、私としてはヒイラギさんが、そのスキルを獲得してくれてとっても嬉しいですよ?」
イリスはおもむろに俺の手を取ると、ポゥ……と光が俺の体から彼女の体へと流れていく。
「お、お?なんだ、体から何か吸い取られてく。」
「これはヒイラギさんの体から、神気を補給させてもらってます♪」
「それ大丈夫なのか!?」
「もちろん、ヒイラギさんには何の影響もありません。デミゴッドのヒイラギさんは、しっかりとまだ肉体というものを持っている状態ですから。仮に神気が無くなっても存在が消えたりはしません。」
「なら安心だ。」
「ちなみにちょっと離れても神気を補給できます。」
少しイリスが離れても、俺の体から光が彼女の体へと流れていく。
「これで無駄に神華樹の果実を食べなくてすみますね!!あれ一つ食べると、結構お腹いっぱいになっちゃうんですよ……。」
「まぁ、それはそれで……うんいいのかな?」
「いいんです!!この方法のほうが……しっかりと理由をつけてヒイラギさんにくっつけますからね。」
ふんすふんすと、鼻息が荒くなるイリス。まぁまぁなにはともあれ、進化というからどんなものになってしまうのか不安だったが……普通の人間の体のままでよかったな。
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