シンの演説の効果
シンが戻ってきた後、俺は店主に何個かケーブのテイクアウトをお願いした。そしてそれを受け取って会計を済ませる時……俺はマジックバッグの中から白金貨を一枚取り出した。
「じゃ、お会計はこれで頼む。」
「えぇっ!?こ、これ白金貨ですよ!?」
「あぁ、これから忙しくなるだろうから、その餞別だ。」
なんせ、俺たちがここを後にするのを見計らっている人たちが外に大勢いるようだからな。
ここのお店がこの後めちゃくちゃ忙しくなるのは、目に見えている。
「それじゃ、後は頑張ってくれよな。また来るから。」
「うむ我も近い内にまた来るぞ!!」
俺たちが出来ることはした。後はこの店主がどれだけ自分の美味しい料理で、お客さんを魅了できるか……つまり彼の腕次第だ。
彼に見送られながらお店を出ると、そこにはすでにたくさんの人が行列を作っていた。
「おぉ!!たくさん集まってくれておるな。」
「そりゃあシンがあんな演説をしてくれたからな。」
そして集まってくれた人たちに、手を振りながら俺たちがお店を後にすると、その直後にたくさんの人達があのお店の中へとなだれ込んでいるのが見えた。
「改めて助かったよシン。」
「む?何がだ?」
「いや、俺のわがままを聞いてくれたからさ。」
「何を言うか、友の飯の誘いを断る我ではないぞ。それにあの店主には料理をやめてほしくはない。我もそう思っただけのことだ。」
誇らしそうにシンは笑う。
「おっと、迎えが来たようだ。我はここで失礼するぞ。」
シンのことを迎えに、レイラがこちらに歩いてきていた。
「ヒイラギよ、また誘ってくれ。我はいつでも誘いを受けるぞ!!」
「あぁ、また誘うよ。」
そしてシンと別れると、ユリ達とミクモも営業へと戻っていき、またレイと二人きりになった。
「むっふっふ、また二人きりなったな主っ!!」
「そうだな。」
満面の笑みを向けてきたレイの手を取ると、彼女は驚きながら、顔を真赤にしていく。
「な、なな、あ、主がワシの手を握ってくれたのじゃ!!」
「言っただろ?埋め合わせはするってさ、そういうわけでデートの続きと洒落込もうか。」
「う、うむっ!!で、では次はじゃな…………。」
そしてまた、レイとのデートを再開するのだった。
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