誘い出される男達
すっかり日が沈み、街中で夜の賑わいが起こり始めた頃、俺達は行動に移った。
「それじゃ二人とも手筈通りに……俺達は上空で待機してるから。」
今回の作戦の要であるドーナとランに後のことを任せ、俺とレイは夜空へと飛び上がる。
「主、こんな見え見えとも言える作戦に引っ掛かると思うか?」
俺の隣でホバリングしながら、レイがそう問いかけてくる。
「さぁ、わからない。でも意外と男って素直なもんだ。案外簡単に引っかかるかもな。」
「うむむ……じゃが主はそれには当てはまらぬのよなぁ。難攻不落の城のようじゃ。それに加え、とんでもなく強力な守衛も居るときたものじゃ。崩すのは骨が折れそうじゃのぉ。」
「っと、レイそろそろ二人が路地に入るぞ。」
「む、承知した。」
ドーナとランの二人が人気のない路地へと入ったところで、俺とレイは二人とその周りを注視する。
すると、ドーナの後ろを一定の間隔で歩いている三人組の男を発見する。
「あれは……もしかして。」
「主よ、ランの方にも来たぞ。」
「二人同時か?……もう少し様子を見てみるか。」
酔っ払いのナンパって可能性も捨てきれない。だから、もう少し、尻尾を出すまで様子を見てみよう。
そして、少し様子を窺っていたその時……二人の後をつけていた男達が、ナイフを取り出したのが目に入る。
「あぁ、そいつはダメだ。行くぞレイ。」
「承ったのじゃ!!」
上空から急降下し、俺はドーナのもとへ…レイはランのもとへと急行する。
顔をすっぽりと覆えるような袋を手に、ドーナへと近付く男の頭を、落下の勢いそのままに踏みつける。
「ふん!!」
「ごびゃっ!?」
「なんだぁ!?」
地面に頭がめり込んだ男の頭から足をどけて、残った二人の男へと目を向ける。
「手配書にあった顔だ。お前たちが女性を食い物にしてるクズだな。」
「チッ、護衛がいやがったのか。顔を見られたからには生かしちゃおけねぇ、やるぞ!!」
そして俺に向かって男二人が飛び込んでくるが、次の瞬間には男二人はドーナの手によって、地面と強烈な接吻をする事となった。
「ふん、あんたらは地面と口づけしてんのがお似合いさ。」
意識を刈り取った三人を捕縛して、ラン達と待ち合わせの場所へと向かうと、そこにはすでにランとレイが男達を捕まえてこちらを待っていた。
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