犯罪者グループ壊滅


 ラン達が意識を刈り取らずに捕縛した、一人の男を歩かせてコイツらのアジトがある場所へと向かう。


 今回嘘をついたかどうかを見極めるために、超強力な助っ人を借りていた。それが今男の背中に張り付いている、メリッサの配下のハチ。

 彼らは心が読めるから、噓をついたかどうかすぐに見分けることができるのだ。そしてハチには、男が嘘をついた瞬間、針で刺していいと許可も出している。


 その恐怖もあってか、男はあっさりと俺達をアジトとしている建物へと案内する。


「あ、兄貴オレだグーズだ。今日の収穫を連れてきた。」


「お!!良くやったァ!!これでしばらくは安泰だぜ!!」


 そして意気揚々と建物の扉を開けて出てきた男の顔面にドーナの拳がめり込んだ。


「くぶぇっ!!」


 そのまま派手に吹き飛び、男は壁に叩きつけられる。


「女を食い物にするとはイイ度胸してるじゃないかい。えぇ?」


「ま、ワタシ達に目をつけられたのが運の尽きってやつよ。」


「ここで死ぬか、大人しく縄につくか……二つの選択肢を貴様にはくれてやろう。」


「ぐ……誰がテメェらなんかに捕まるか!!やっちまえお前ら!!」


 その男の号令とともに、配下の男たちが一斉に襲いかかってくる。


「主、コイツらは殺しても良いのか?」


「ダメだ。生かして捕らえて残りの人生は、罪を償って生きてもらわないといけないからな。」


「承知したのじゃ。」


 飛びかかってきた男たちは、有象無象ばかりでドーナ達の相手になるような、強い奴は一人としていなかった。

 しかし、俺達がこいつらを相手している間に、リーダーの男が何やらどす黒い液体の入った瓶を取り出して、今にも飲もうとしていた。


「なんかそれは嫌な予感がするな。」


 嫌な予感を感じて、俺は一気にスタートを切る。そして男が飲もうとしていた液体を奪い取った。


「あっ!?」


「コレが何かは知らないが、良いものではなさそうだからな。先に奪わせてもらった。」

 

「ぐぐ……この野郎!!」


 マチェーテのような武器を手に、気合だけで突っ込んでくる男を背負って投げ、床に叩きつけた。


「がっは!!」


「お前にはまだ聞きたいことがあるんだ。それを全部吐いてもらうぞ。」


 直近で姿を消した女性たちの行方……そして、この黒い液体の正体も、今から全て喋ってもらおう。


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