囮作戦
翌日、今日は昨日と同じメンバーを連れてレストの隣街である、リコルという街を訪れていた。
ここには女性ばかりを狙う凶悪犯罪者グループが潜伏しているらしく、関所の兵士の話では直近で三人の女性がこの街で姿を消してしまったらしい。その三人の女性は、いずれも街では有名な美人だったという。
今回の犯罪者グループは女性を狙い、攫うという所に観点を起き、ドーナが囮作戦を立案した。
その作戦の内容はすごく単純で、ドーナとランの二人がそれぞれ人通りのない路地をわざと歩くというもの。俺から見ても二人ともかなり美人だし、犯罪者グループの目にもつきやすいと思う。
「じゃあランとドーナは、被害者の女性が攫われたと思われる路地を警戒しながら歩いてくれ。」
「わかったわ。」
「わかったよ。」
「で、俺とレイは二人のことを護衛だ。」
「なぜワシがこの人間どもを誘惑する役ではないかが、不思議ではあるが……主の命じゃ承った。」
不服そうにしながらも、レイは頷いた。彼女には悪いが、今回の犯罪者グループが狙っているのはいずれもかなりプロポーションの良い女性ばかりだ。
その点を加味すると、幼く…まるで子供のような体型のレイには、この役は少々適していない。
「ふふ、ワタシの美貌を振り撒いてやるわ!!」
「アタイの所に来るかねぇ……。」
作戦の立案者ながら、少し不安がるドーナを励ますことにした。
「大丈夫、二人とも俺が今まで見たことないぐらい美人で可愛いから。犯罪者グループの目に留まらない訳ないさ。」
そう二人のことを励ましてやると、二人は揃って顔を赤くして俯いた。
「そ、そんなに面と向かって褒められると少し恥ずかしいわ。」
「あ、アタイが……可愛い。うぁぁ、顔から火が出そうだよ。」
「な、なんじゃこやつら……自分の美貌を褒められるのがそんなに恥ずかしいことなのかの?」
恥ずかしさで顔を真赤にして俯いた二人を見て、レイが少し戸惑っている。
「ま、面と向かって言われれば誰だって恥ずかしいことはあるさ。」
作戦の決行は夜だ。それまでは、特に変な行動を起こさないように過ごそう。
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