収支報告
それから数時間経ち……再びみんなで合流すると、各々の成果を報告し合った。
「俺は白金貨10枚分プラスだったな。」
「アタイ達は、みんなの合計で白金貨160枚分勝ったよ。」
ドーナ達はあれからずっと勝ち続け、最終的に白金貨160枚分もプラスにしたようだ。正直なところ、これだけで目的は達成されたようなものなのだが……。
「次はボク達っ!!ボク達は合わせて白金貨200枚勝ったよ!!あ、でもお姉様が白金貨1枚分負けてるから……199枚勝ちっ!!」
「そ、そこは別に言わなくてもいいのよフレイ?」
「ダメ、ちゃんと報告しなきゃ。だって、あれはもともとヒイラギさんのお金なんだもん。」
「うぅ……これが見栄を張ったバチね。」
しょぼん……と落ち込んでいるリリン。まぁ彼女はお金は失ってしまったとはいえ、フレイ達の勝ちに大きく貢献した。その持ち前の不幸体質でな。
ここまででも、とんでもなく儲けてしまっているのだが……それ以上に儲けているのがこの二人。
「ワシはもう、いくら儲けたのかわからんのじゃ。とりあえず、あそこの人間に山となっておった金貨をこれに交換してもらったぞ。」
数えてみたところ、レイだけでなんと白金貨500枚勝ち……。ちなみに最後の方、もう勘弁してくれ……と店の人に泣きつかれていた。
あそこで俺が声をかけなければ、もっと大変なことになってしまっていただろう。
「最後は私ですねっ♪」
そしてイリスは、白金貨を一つ指先でつまみ上げた。
「あれ?もっと勝ってなかったか?」
「本当はもっとたくさんあったんですけど、楽しい時間をくれたお返しに……全て寄付してきました。」
「なるほどな。」
イリスらしい行動だ。多分……彼女が勝った分を全て持ってきていたら、この賭場が崩壊してしまっていた可能性もあっただろうからな。
「ということで、ヒイラギさんにもらったこちらだけお返しします♪」
「……いや、それはイリスが持ってて良い。」
「へ?」
「みんなも、今日自分で勝った分は自分で持ってていいぞ。それは、みんなが頑張って手に入れたお金だからな。」
みんなも自分で自由に使えるお金はあったほうが良いだろうからな。
「あと、リリンにはこれ預けとく。」
俺は自分で勝ったお金をリリンに手渡した。
「い、いいの?」
「あぁ、リリン一人だけ無一文は可哀想だからな。それで何か買いたい買うと良い。」
「よかったねお姉様?」
「えぇ、これで……願いが叶う果実を手に入れて見せるわ!!」
リリンがそう意気込んでいると、奥にある競売場の扉がゆっくりと開いた。
どうやら競売が始まるらしい……。本当の勝負はここからだな。
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