食事はみんなで


 何とかキース達を説得し、夕食を食べてもらえることになった。


「では改めて料理の説明ですけど、先程も言った通りこの肉がサラマンダーの肉で、下の白い粒々はお米という穀物です。特製のソースをかけてあるので、そのまま召し上がってください。」


「この白いのは穀物だったのか。」


「恐らく、これも珍しいものに違いない。なんせ私ですらも見たことないからな。」


 まじまじと、ダグラスとカムジンがステーキ丼を見つめていると、バイルが我慢できなさそうに言った。


「おい、そろそろ食おうぜ?もうそろそろ我慢の限界だ。」


「えぇ、そうですね。」


「では、いただくとしようか。」


 バイル達は丼を持ち上げてスプーンでステーキとご飯を口に運ぶ。それに続き、エートリヒ達や騎士団の人達も食べ始めた。


 そして何度か咀嚼して、ゴクリ……とそれを飲み込むと彼らは……。


「……言葉が出ねぇ。」


「こんな美味しい肉があったとは。」


「いや、美味いのは肉だけではない。この白い穀物も肉の味を吸って、とんでもなく美味いものだ。」


 よかった。どうやら口に合ったらしい。みんな大絶賛だ。騎士団の人達も、なんだかんだいいながら夢中になってバクバク食べてるし、この分ならおかわりまできっちりしてくれるだろう。


 さて、シア達は……って!?バイル達の食いつきに満足していた俺は、シア達が座っているテーブルを見て唖然とした。誰一人としてステーキ丼を食べてなかったのだ。


「な、なんでみんな食べてないんだ?」


「えへへ、だってお兄さんと一緒に食べたいもん!!」


「みんな…ぱぱといっしょが…いい。」


「ヒイラギが食べてないのに、アタイ達が先に食べるのもねぇ~。」


「そうそう、やっぱりご飯はみんなで食べたいわ?」


「……すまない。よしっ早く食べようか!!」


 みんなに一言謝り、いつもの席に座って、急いで手を合わせた。


「いただきます。」


「「「いただきま~す!!」」」


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