海鮮あんかけチャーハン


 俺はエビ、イカ、ホタテの入ったあんかけをかけたチャーハンを取り出した。


「作ってすぐバッグに入れてたから、アツアツのままだな。」


「お兄さん!!それ海のにおいがする!!」


「うんうん、とってもいい匂い。」


「それにショーユの香ばしい匂いもするねぇ~。」


 海鮮の香りと焦がし醤油の香ばしさは、三人の胃袋を刺激したようだ。


「ほい、これレンゲ。これで餡と一緒にご飯を掬って食べてくれ。」


 今回は箸の代わりにレンゲを三人に差し出した。チャーハンはレンゲのほうが圧倒的に食べやすいからな。


「よし、それじゃあ食べよう。」


「「「「いただきま~す!!」」」」


 そしてみんな一斉に、アツアツのチャーハンをはふはふと息を吹きかけながら食べ始めた。


「はふっはふっ!!熱いけどおいし~い!!」


「このアンってやつが、トロトロでパラパラのご飯によく絡んでとっても美味しいわ!!」


「食感も楽しいねぇ~、プリプリしてたり弾力があったり……。」


 みんな喜んで食べてくれている。美味しく食べているこの光景こそ、料理人冥利に尽きるというものだ。


「これもめちゃくちゃ練習したからなぁ。」


 チャーハンを見ていると修行時代を思い出してしまう。まかない飯でチャーハンを作ったときにべちゃっとなってしまい、よく殴られたものだ。


 辛い修業時代を思い返していると…。


「お兄さん、おかわり欲しい!!」


「ワタシも~。」


「アタイももう少し欲しいんだけど……いいかい?」


「もちろんだ。」


 三人の食器を回収し、お代わりを手渡した。


「お兄さんありがとう!!」


「ん~♪いくら食べても飽きないわこの味~。」


「無限に食べられそうだよ、ホント。」


 大人気だな、また作っておくか。しっかし、みんなよく食べるなぁ。一応この後ボスとの戦いが控えているのだが大丈夫だろうか。

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