ふたりのアイテム
「それじゃあワタシはこれにしようかしら。」
「アタイは、こっちにするよ。」
二人とも開ける宝箱が決まったようだ。そして二人が宝箱に手をかけると、ガパッという音と共に宝箱が開き、アイテムが出てくる。
「あら?同じアイテムね?」
「そうみたいだねぇ。」
なんと宝箱からは二人とも同じアイテムが出てきたのだ。
こんなこともあるんだなぁ~と、のんきに思いながら俺は鑑定を使った。
「鑑定っと。」
親愛のブローチ
・想い人の近くにいると自身のステータスに1.5倍の補正がかかる。
・想い人と結ばれる…かもしれない。
「あら!!これでワタシのヒイラギへの愛は本物だって証明されたわね!!」
そう胸を張っているランとは対照的にドーナは……。
「お、想い人と…む、結ばれるブローチ。こ、これを着ければ……アタイは。」
顔を真っ赤にしてブローチを見つめ1人ゴニョゴニョ呟いている。
ま、まぁ二人とも喜んでくれているようで何よりだな。
「さ、さてそろそろ先に進もうか?」
はしゃぎながら、服にブローチをつける二人に先に進もうと促した。そして再び歩みを進め始める。
が、しかしこの時シアが二人と同じ様なブローチをパーカーに着けていたのを、俺は気付く事ができなかった。
「えへへぇ~♪」
そのブローチとは……。
狂愛のブローチ
・想い人の近くにいると自身のステータスに3倍の補正がかかる。
・想い人から離れ過ぎると自身のステータスに0.5倍の補正がかかる。
・想い人の愛情を一心に受けることができる。
というものとんでもない代物だったのだが、気が付いていないヒイラギはそれの存在を知ることはなかった。
◇
「おっ?あれ階段じゃないか?」
歩くこと5分程で砂浜に下へと続く階段を見つけることができた。
「そのようね。」
「よし、それじゃあ先に進もう。」
下へと続く階段を下っていくのだが……この階段少し長い気がする。そんな風に感じた階段を下りきった先にあったのは、
「この扉…ダンジョンの入り口にあったやつと同じ感じがするな。」
巨大な扉を観察していると、ドーナが言った。
「どうやらこのダンジョンは三階層のダンジョンだったんだねぇ。ここがボス部屋だよ。」
「あら?意外と早くついたわね。もっとかかるかと思ってたわ。」
俺の勝手なイメージだが、ダンジョンのイメージはこう……何十階層もあって攻略に数日かかるっていうイメージがあった。
まぁでも難しいダンジョンだからこそ、階層が短かったのかもな。
そんなことを考えていると、唐突にキュルルル~という可愛い音がシアのお腹から鳴った。
「あっ!?」
「おっと、そろそろお昼の時間かな。お腹すいたんだもんなシア?」
「うん…お腹すいちゃった。」
「よし、それじゃあ一旦ご飯を食べてからボスに挑もう。」
「えっ、ご飯!?ワタシもちょうどお腹すいてたのよね~!!」
「ボス部屋の前は魔物も出ないから安全だよ。休憩がてらゆっくりしようじゃないか。」
俺は大量に作りおきしておいた料理をマジックバッグから取り出す。
「今日のお昼ご飯は、海鮮あんかけチャーハンにしよう。」
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