シアのステータス


 鑑定と唱えた俺の目の前に、シアのステータス画面が表示される。



名前 シア

種族 猫人

性別 メス

年齢 6歳

職業 無し



level 4/100

HP 5260

MP 515

ATK 2540

DEF 1820

MDEF 1510

AGI 1600

INT  522

LUK  150


スキル


剛力 6/10

脚力強化 5/10

鉄爪 2/10

物理攻撃軽減 5/10



「うん、完全に俺のスキルの影響が反映されてるな。」


 シアの今のステータスは、スキルの力が加わり大変なことになってしまっていた。あの鬼のような魔物のステータスが、そのままシアのステータスにプラスされ、とんでもないステータスになっていたのだ。


「シア、体に違和感とかはないか?」


「う~ん?大丈夫っ!!」


 少し首をかしげながらシアは答えてくれた。どうやらステータスが大きく変わっても、体のほうには特に違和感などはないようだ。

 シアの体に違和感がないことにほっと一安心していると部屋のドアがノックされた。


「お客様~?温かいお湯をお持ちしました。」


「あぁ、扉の前に置いといてくれ。」


「かしこまりました~。」


 頼んでいたお湯が運ばれてきたようだ。足音が離れていったのを確認した後、扉をゆっくりと開けてお湯を部屋に運び入れた。


「うん、いい温度だ。」


 お湯の中に手を入れて温度を確認していると、シアが不思議そうにそれを眺めていた。


「お兄さんそれどうするの?」


「これで今からシアの体を洗ってあげようと思ってな。」


 どこを歩いていたのかわからないが、シアの体は砂ぼこりにまみれていた。さすがにこのままドーナの前に連れて行くのはかわいそうだからな。


 というわけで。


「シアここにその服を脱いで立ってくれるか?」


「わかったぁ!!」


 何の迷いもなくすっぽんぽんになったシアに、内心とても驚きながら俺は彼女の体の汚れをお湯で洗い落としていくのだった。


 それから少し時は流れ冒険者ギルドにて……。


「あっ!!ヒイラギさんおかえりなさい!!」


 ギルドに着くとさっそくミースが出迎えてくれた。


「依頼が終わったからそれの確認をしてほしい。」


「えっ!!もう終わったんですか?」


「まぁ森に行って採取してくるだけだったしな。これでいいんだろ?」


 驚くミースの前に黒く艶があるオーリオの実を出した。


「はい……はいっ!!しっかり全部完熟してますね~流石です。それでは計量しますね。」


 三日月草の時と同じようにミースは計量器にオーリオの実を乗せていく。


「はい!!しっかり500gですね。これで依頼完了です。そしてこちらが報酬の銀貨50枚になります。」


 ミースから報酬金を受け取った俺は、彼女に質問を投げかけた。


「ありがとう、あとドーナに話があるんだが2階にいるか?」


「えぇ、今日は外出する業務もなかったはずなので、いると思いますよ。」


「わかった。じゃ、ちょっと行ってくるよ。」


 受付を後にして階段を上がる。2階に上がりドーナの部屋であるギルド長室の扉をノックする。


「誰だい?」


「ヒイラギだ、少し話があるんだが。」


「あ、あぁヒイラギかい、入っていいよ。」


 彼女から許可が出たので中に入り、以前座ったソファーに腰掛けると、ドーナが気を利かせて紅茶を運んできてくれた。


「で、今日はどんな要件だい?」


「森に足を運んで安全を確認してくれたんだろ?それのお礼に来たんだ。改めて助かったよ。」


「あぁ、あれ位ならわけないよ。アタイの仕事のうちさ。」


 俺のことが騒ぎになってないことからわかる通り、彼女は秘密を守ってくれているようだ。この分ならきっとシアのことを話しても大丈夫だろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る