転生
声の主からスキルの説明を受けて、自分が持つスキルの強さに驚いていた。
「この
《はい、そのスキルは転生する世界でもあなただけしか所有者がいないEXTRAスキルです。》
唯一無二の能力か。そういわれると悪い気はしない。ただ、魔物を倒さないと宝玉がドロップしないからそれなりに苦労はありそうではあるが。
《それと貴方は普通の人々とは違い、EXTRAスキルの影響で宝玉を一つ取り込む毎に一つレベルが上がる特殊なレベルアップ方法なのでお気をつけください。》
「了解した。自分のスキルについては理解したから。次のチュートリアルを頼む。」
《わかりました……と、言いたいところなのですが次のチュートリアルは言語についてなんです。》
「言語に関しては言語理解のスキルがあるから大丈夫じゃないか?」
《そうなんです。なのでこのチュートリアルは省きますね。》
カオスドラゴンが持っていた言語理解のスキルは、転生する先の世界に存在する全ての言語を読み書き話すことができるという、なんとも便利なスキルらしいのだ。
《ですのでこれが最後のチュートリアル。向こうの世界のお金についてですね。》
最後に転生する先の世界の通貨について説明を受けた。どうやら転生先の世界では銅貨や銀貨、金貨等が通貨になっているらしい。その一つ一つが日本円でどれぐらいの価値があるのかもしっかりと説明を受けた。
《以上がお金についてのチュートリアルです。質問はありませんか?》
「あぁ、大丈夫だ。これで全部チュートリアルを達成したわけだが、もう転生させてくれるのか?」
《はい、この後すぐに転生を始めます。ですが、その前にこれを差し上げます。》
突然俺の前に一つのバッグが出現する。
「これは?」
《それはマジックバッグといって、中にいろんなものが入れられる魔法のバッグです。中の空間は時間も止まっているので、食べ物とかをずっといれていても鮮度が落ちません。》
「それは便利だな。ありがたく貰っておく。」
マジックバッグを肩から提げた。これからいろいろなことに使えそうだな。
《あと、その中にあなたが働いていたお店を再現したハウスキットも入ってます。》
「ハウスキット?」
《簡単に説明すると、いつでもどこでもあなたが働いていたお店を出現させることができるアイテムです。ガスも水道も電気も使えるようにしておきました。》
またまた便利なものをもらってしまった。これもありがたく使わせてもらおう。
《では、そろそろ転生を始めますが準備はよろしいですか?》
「あぁ、始めてくれ。」
《わかりました。》
その声が響いた後徐々に俺の体が粒子化し始めた。その最中あることを聞き忘れていたことに気が付き、とっさに声を出した。
「そういえばあんたの名前はなんて言うんだ?」
《私ですか?私の名はイリス。もしわからないことがあったら教会を訪ねてくださいね?そしたらまた……。》
言葉を最後まで聞く前に体は全て粒子になり、新たな世界へと飛ばされてしまう。
こうして俺は異世界に転生したのだった。
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