アギト 8
杖の先端にはめられた白い宝石が強烈な光を放つ。
解き放たれた魔法はメイリルとアギトの間に底の見えない黒い大渦を発生させた。
全力で突進してきたアギトの足が触れると渦の流れが一気に速まりアギトの四肢を砕きながら奈落へと引きずり込む。再生も追いつかず、もがきながらアギトは終焉へと落ちていく。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!』
『死の
トンとメイリルが杖先で地面を叩くと何事もなかったかのように渦が消え去り周囲には静寂だけが残った。そして、そこでぷっつりとメイリルの記憶は途切れてしまった。
―――
「ということがあったそうだけど、でも私はその時の事をほとんど憶えていないんだよね~。杖、アリエントを手に取ったところまでで、その後はぼんやり程度で。魔法なんて使ったからだって老師はいっていたけどね」
「う~ん、ところで魔術と魔法は、そんなに違う物なのかな?」
「あ~、うん。ものすごく簡単にいえば魔術よりも魔法の方がすごい!って認識でいいと思う。……あはは、じゃあ真面目に教えると魔力を使って現実に干渉するのが魔術、現実を塗り替えてしまうのが魔法っていうのが初等科で習う内容なんだけど……」
「わかるような、わからないような……」
「えっと、そうだな~。ある人が空を飛びたいとするでしょ。魔術では、体を浮かせて飛べるけど、それには魔力が続く限りという制約があるんだよ。けれども、魔法は違う。例えばその人に翼を与えて永久に飛ぶことができるし、翼がなくても空を飛べる能力を与えてしまえるんだよ。しかも、効果は永遠に続くというオマケつきで」
「それって、要するにその人を人間とは違う存在にしてしまうっていうこと?」
「そう。もっともこれは完全に禁術の類だけどね。でも神話では神様はこうやって私たちの世界を作ったっていう話もある。昼と夜があるのも、太陽と月があるのも、人に寿命があるのも全て神様たちが魔法でそうしたからだって。まぁ、本当の所は分からないけどね」
「うん。なんとなく魔法については分かったよ。それでその後、メイリルが気を失ったあとはどうなったの?」
「それから私が目を覚ましたときには、もう一週間も経っていたんだ。そして、世界は大きく変わっていた。良くも悪くも、ね」
―――
最初に目に入ったのは、自分の寝ているベッドに上半身を預けて突っ伏して寝ている親友アンの寝顔だった。次第に意識がはっきりしてくると、自分が普段使っている寮のベッドより数段豪華な物だと気づく。いや、そもそも自分が今いる部屋はどこなのだろうか?薄暗い部屋に目が慣れてくると自分の寝ているベッドを始め家具の全てが高級感ただよう威風を備えているのに気づく。少なくとも寮の自室ではないのは確かなので答えを知るためにスヤスヤと眠っているアンの肩を掴んで優しく揺さぶる。
『ん、あと五分だけぇ~』
とりあえず頭を軽く引っ叩くと、ようやく寝ぼけ眼をこすりながら体を起こしたアンが恨みがましい目をメイリルに向ける。
『メイリル~、起こすならもっと優しく起こしてよ~』
『ちゃんと優しく起こしたでしょ。それよりアン、あなた無事だったの?というか、アギトは、みんなはどうなったの?まさかここは死後の世界とか言わないでよ』
『ふぇ!?……ああ、メイリルが目を覚ましているぅ~!』
『ちょっと、涙はいいけど、鼻水とよだれをつけないでよ!』
『アンちゃん、どうしたの……メイリル!』
『マ、ママ?なんで学校に!?』
『目を覚ましたのか、メイリル!』
『パパまでいるの!?なんで、どうしてこんな危険な時に出歩いているのよ!?』
どこにアギトが潜んでいるかわからないご時世に遠く離れた故郷からやってきた両親の登場にメイリルは驚き不用心を責めるがなぜかアンも含めて三人とも何とも言えない顔になって黙ってしまう。その意味深な間が気になり更に語気を強めて問いただそうとした時、また一人見知った人物が部屋に入ってきた。
『まぁまぁ、落ち着くのじゃ』
『老師!ご無事だったんですね!』
『ふぉふぉふぉ、お主のおかげで命拾いしたわい。もっともお主の方は……。いや、まずは腹を満たす方が良いじゃろう。もうじき夜明けじゃ。体は動きそうかの?』
『体、ですか?……特にこれといって痛いところもないですけど』
『結構。支度を整えたら降りてくるがよい。さぁ、お父上も下で待ちましょう』
『は、はい。では母さん、アンちゃん、後は頼むよ』
そういって男二人は部屋を出ていった。何かはぐらかされたような気がして悪い想像ばかりか浮かんできてしまう。
『ねぇ、二人とも……』
『大丈夫、世界は滅んではいないわ。アンちゃん、悪いのだけどお風呂を沸かしてくれないかしら。この子を一回ちゃんと洗わないと』
『娘を洗濯物みたいに言わないでくれるかな。ねぇ、はぐらかさないで教えてよ。私も子どもじゃないんだから』
『そう、ね。もう、あなたを子ども扱いをする人はほとんどいないでしょう。だって、あなたは世界を救った英雄なのだから』
『………………はぁ?』
母の話によると、マグ・クレスタの戦いが終わって程なくして、長城に群がっていたアギトたちが撤退を始めたという。そして、長城を越えてきたアギトたちも忽然と姿を消し、その後姿を見た者はいないということだった。
『消えたって、どういうこと?本当にいなくなったって言うの?』
『まだわからないわ。調査隊が北部に入って調べているそうだけど何も発見できないそうよ』
何も、という事は生存者もいないということだろう。あの時の自分と同じ恐怖を味わって命を失った人たちの事を他人事と思えずメイリルの表情が暗くなる。
『そんな顔をしないの。あなたは多くの人を救ったのだから……』
『だから、ちょっと待って。なんなの、その私がみんなを救ったって?』
『だって、あなたが魔法を使ってアギトを追い払ったんでしょう?』
『魔法?私が?意味が分からないんだけど!?』
『でも、みなさんはあなたが魔法を使ってアギトを追い払ったって言っているのよ。それで人が押しかけて大変だからって学院長様がわざわざ山頂の家を使わせてくださっているのよ』
『山頂の家?ああ、ここがクレスタの宿なのね』
かつて人嫌いの魔術師マグ老人に連れられた孫娘のクレスタ。そのクレスタがマグの押しかけ弟子たちの為に始めた宿はいまも山頂に残されているとは聞いたことがあった。
その後、長い年月の中で要人の宿泊施設としても利用されていたが、ふもとの街が発展してからは使われることは無くなったと聞いていたが手入れはしっかりとされていたらしい。
『お風呂、沸きましたよ!さっ、メイリル、服を脱いで』
『自分で出来ます!もう病人扱いしないでよね。それじゃ、ちょっと行ってくるね』
『ええ、私は先生がたに少し時間がかかるって伝えてくるわ。アンちゃん、申し訳ないけどメイリルのことをよろしくね』
『はい、お任せください!』
『だ~か~ら~!』
『あはは、行っちゃったね。それよりスゴイよ、お風呂場!いいなぁ、私も入りたいなぁ』
『なら、一緒に入る?』
『うっ、ううっ、我慢する!一緒に入ったら長湯しちゃいそうだもん』
『そうだね。親はともかく老師を待たせるわけにはいかないよね。それじゃ、ちゃちゃっと入ってくるから待っててね』
アンが出してくれたタオルと着替えを手にメイリルは風呂場に向かった。さすがに一週間寝たきりだと少し足がもつれるが、またアンを心配させるわけにはいかない。少しゆっくり歩いて脱衣所に入ると着ている仕立ての良い服をパパッと脱いで風呂場に入る。確かにアンの言う通り、およそ庶民には縁のないであろう絢爛な風呂場が出迎えてくれたが、今のメイリルにはそんな煌びやかな装飾に心を向ける余裕はなかった。
アギトが居なくなった。本当ならばこれほど喜ばしい事はない。だが、それを為したのが自分だというのはどういうことなのか?
あの時に使った術式、あれはただ単に渦に入り込んだ敵をすり潰しながら世界の外へ放出する物であったはずだ。元の術式でも範囲はマグ・クレスタ全体、それを更にメイリルが狭めたのだ。大陸中にいたアギトに影響を及ぼすようなことはない、はずだ。しかし、あの時の記憶はどれもおぼろげで頼りない。もう一度あの術式を思い出して思い出して検証できればいいのだが、それもやはりはっきりとは思い出せなかった。
(絶対にあとあと面倒な事になりそうだなぁ)と湯船の中で天井を仰ぎ見る。そもそも、一人の魔術師がどう頑張っても大陸中に影響を及ぼすような力など振るえる訳がない。そんな事ができるとすれば、それは最早神といっても差し支えない存在だろう。そして、自分にそんな力はないことははっきりとわかっている。ならば、全ての原因は、あの杖だったのだろう。
『……あっ、そうか。あの杖は『神装武具』だったんだ』
神性武具の中には僅かにだが魔法の力を持つ物があるという。だとすれば、あれほど厳重な封印をされていたのも納得できる。だとすれば話は簡単だ。
『杖を見つけた経緯を説明して、勝手に使った事を謝る。それで、全ては杖のおかげという事にすればきれいに解決するはず!』
学院長たちも本気で学生が世界を救ったなど信じていないだろうし、既に杖も調べられてあるべき場所に納められているだろう。
そして、程なくして事実が知れ渡り自分は晴れて元の生活に戻れる!
『メイリル~。そろそろ出ないと支度が間に合わないよ~!』
『あっ、うん。すぐ出るから、ちょっとまってて!』
考え込んでいる間に結構な時間が過ぎていたらしい。メイリルは慌てて湯船から飛び出すと脱衣所へ向かう。
だが、この時の自分の考えが甘すぎたことを知るのは、ほんの少し後のことである。
―――
メイリルがいた部屋は三階の奥まった場所にあった。なぜか普段滅多に着る事のない学院指定の正装を着させられ、同じく正装に着替えたアンに連れられてふかふかな絨毯が敷いてある廊下を歩く。窓には分厚いカーテンが掛けられ外の様子を知る事が出来ないが僅かに陽が差し始めていることから晴れているのではないかとメイリルは思った。
『なんでこんなに薄暗くしてるかな~?もう陽は出てるんだからカーテン開ければいいのに』
『用心のためだって老師は仰っていたよ。なんでも窓にもカーテンにも耐魔術仕様の特別製だって』
『まぁ、昔は偉い人が泊まっていたところなんだから、それぐらいの物はあってしかるべきだとおもうけども、何で今そんなに厳重な警備をする必要があるの?』
『そ、それは、もちろん……』
大人が十人は横に並べそうな大階段を降りていくと一階のロビーに見慣れない人たちが立っているのが見えた。その内の一人が降りてきたメイリルたちに気づいて『おお、英雄殿!』と叫んだのをきっかけに全員が壁として立ちはだかっていたメイドを押しのけて一斉にメイリルたちの元へ駆け出してきた。そして、先頭にたつ妙に軽薄そうな男がアンを押しのけようとした時。
『そこまでです』
凛とした声と同時に出現した見えない壁にぶつかり悶絶している先頭の男に後続が次々とぶつかり悲惨な光景になる。そんな立派な服装に見合わない情けない姿の大人たちに立ち塞がったのは学院長と副学長の二人であった。
『勝手に生徒に接触しないようにお願いしていたはずですが、どういうつもりなのか説明していただきたいものですな』
ただでさえ強面のガラナスの怒気を孕んだ声と眼差しに、さきほどまでの異様なロビーの熱気は一気に萎えた。愛想笑いを浮かべて『いや、これは……』とか意味を持たない言い訳を口の中で繰り返しながら少しずつ後退していく。だが、そんな中、一人遅れて現れた40歳前後の女性が人波を割って前面に立った。その体を包んでいるのはネビュラ大陸でもっとも信仰されている聖女教会の高位神官服でありガラナスの視線を受けてもたじろぐ様子は微塵もない。
『彼女の力、そして得た知識は、この世界全ての人々の宝でしょう?それを学院が独占しようというのはいかがなものかとおもいますが?』
『我らにそんなつもりはないと何度言えばわかってくれるのだ、シェリー』
『立場を弁えなさい、ヘイン学院長。
『そうだな。学院の研究を盗んで得た神官長の椅子はさぞ座り心地が良いのだろうよ』
『盗んだですって!取り消しなさい、ガラナス!あれは……』
『いい加減にせんか、この馬鹿者どもが!!』
その声を聞いて言い合いから衝突に発展しようとしてたガラナスとシャリーと呼ばれた女性が反射的に背筋を伸ばして固まってしまう。いや、正確にはその場にいた全員が金縛りにあったように動けなくなってしまった。特にメイリルとアンの二人は信じられないような顔をして声の主を凝視していた。なぜならば、その声の主が温厚そのもので怒鳴り声はもちろん怒ったところさえ見たことがない老師だったからだ。
『あの災厄をせっかく生き延びたというに、お主らは相も変わらずいがみ合う事しか出来んのか! 後進に範を示す立場にありながら逆に醜態を晒すとは呆れてものも言えん!』
『も、申し訳ありません、先生』
異口同音に謝罪をして睨み合っていた三人が、同時に深々と老師に頭を下げた。だが、それでもシェリー神官長だけはすぐに頭を上げて己が抱く危惧を口にした。
『くだらない事を口にしたことはお詫びします。しかし最初に私が申し上げたことは、この場にいる皆様が案じ危惧している事でありましょう。むろん、先生がおられる限りメイリル様を利用しようなどと企てる者はいないでしょう。ですが、それでも不安に思う者がいるのも当然ではないでしょうか。だからこそ我々は……』
『わかっておる。ただ、この子はまだ何も知らんのだ。まずはこれまでに何があったかを伝え、その上で改めて話し合いの場を設けると決めたではないか』
『はい、しかし、その説明の場にて、あちらの二人が都合の良いことしか教えない可能性もないとは言えない。皆様もそれが不安なのでございましょう』
シェリーの言葉に、今まで口を挟まなかった人たちからも控えめな賛同の声があがる。傍目から見ても分かるほど顔を真っ赤にしているガラナスをヘインが抑えてシェリーの挑戦的な目を受け止める。
『我々はこれからメイリル君に今の状況を説明するつもりだ。それに不安があるというのなら神官長、あなたがこの場にいるマグ・クレスタ魔導学院に不満不信を持つ人達の代表となり食堂に証人としてこられるといい。他たの皆様もそれでよろしいか?』
一応、意見を聞く風を保ってはいるが実際にはヘインの言葉には有無を言わさぬ迫力があった。そして、その迫力を跳ね返せる胆力を持つ者はシェリー以外にはいなかった。
結局、その場はようやく収まり、ロビーにいた人たちはそれぞれ自分の部屋に引き上げていった。
『すまないな、メイリル君。本当はキチンと事情を話してからあの者たちと会わせる予定だったのだが手違いでこんなことになってしまった』
『いえ、それはいいんですけど……。それで、あの人たちはいったい?』
『現在残っている国や様々な組織から派遣されてきた者たちだ』
『目的は、あなた様と真杖アリエントを持ち帰りネビュラ大陸に覇を唱えること……』
客人たちの中で唯一残ったシャリーがヘインの言葉を補足してくる。
『シャリー……神官長、言葉を選んでいただきたい』
『どう伝えようと変わらないでしょう?脅威が去った途端に同盟を解消。更地になった北部の土地を我先にと奪おうと考えている唾棄すべき連中。あなただって、そう考えているからメイリル様と接触させないようにしているのでしょう』
『貴様ら聖女教会は奴らと違うとでも?かつて魔術の知識を独占し、神の救いと称して悪辣非道な行いを繰り返してきたネビュラ大陸で最も唾棄すべき組織だろうが』
先ほどヘインたちに向けていた敵意とは違う、明らかな侮蔑を持って断じるシェリーに、今度はガラナスが侮蔑をもって挑発する。だが、その挑発を黙殺してシェリーはメイリルに初めて顔を向けた。
『メイリル様、どうか他者の思惑や甘言に惑わされず、ご自分の道をお選びください。私どもはあなた様の進む道を共に歩むだけにございます』
そういったシェリーの顔は、先ほどまでと違い慈愛に満ちたものだった。戸惑うメイリルにシェリーは一礼すると奥にあるドアの一つを開けて中に入って行ってしまった。
『シェリーのあんな顔は久しぶりに見たな。マリアが生きていた時以来かもしれん』
『ほだされるなよ、ヘイン。それから君もだ。宗教家というものは人の心に入り込む手練手管に長けた連中だ。特にあの裏切り者は何を企んでいるか知れたものじゃない』
『ガラナス……!』
咎めようとする老師を逃れるようにガラナスも大股で先ほどシャリーの入った部屋に入っていった。
『すまないね。もう察しているだろうが私たち三人はかつて老師の元で学んでいたのだよ。だが故あってシャリーだけは違う道を選んだ。ガラナスはそれがどうしても許せないのだ。……いや、私たちのことなどどうでもいい事だな。彼らが入った部屋が食堂だ。君のご両親もそこで待っている。さぁ、行こう』
学院長に促されてメイリル、アン、老師、ヘインの順で部屋に入る。
『うわぁ、完全に別世界だ。学院の食堂と全然違う~』
『そりゃ、そうでしょ。昔はあの長テーブルにずらりと各国の重鎮が並んで会食をしたりしていたんでしょう?そんな場所と食堂を比べてどうするのよ』
『ははは、学食の内装もそれなりに頑張ってはいるのだがね。さぁ、君たちも席に着きたまえ』
広々とした食堂は黒を基調とした格調高い内装に統一されていた。さすがに在りし日に室内を彩った絵画や調度品の類は無くなっていたが、それでも十分に往時の雰囲気は感じられた。だが、それよりもなりよりも、漂ってくるこの世の物とも思えぬ香ばしい香りに緊張の連続だったメイリルの胃袋が強烈な空腹をアピールしてきた。
『ははは、若いうちはそうでなくてはね。すぐに彼女たちに朝食を』
ヘインの言葉に頷いて待機していたメイドたちが静かにその場を離れた。
その間にメイリルは両親の隣に腰を掛けて、どうしようかと迷っているアンの腕を掴んで無理やり自分の隣に座らせる。ちらりと両親の顔を見ると普段見たことのないような緊張の色が見える。
『食べ終えてからと思ったが、君も眠っている間の事は知りたいだろう。だから、まずは私から今の状況を話し、質問があればあとで聞く。それでいいかな?』
ちょうどメイリルと向かい合う席にヘインが、その右隣に老師が座る。そこから五席離れた場所に相変わらず眉間に皺を寄せているガラナスが陣取り、そしてメイリルの視界の端、違うテーブルの一番端には謎めいた微笑を浮かべたシェリーの姿があった。
しばらくして、メイリルとアンの前に香ばしいスープとパン、そして瑞々しいサラダが並ぶ。そして食事の準備が済むと、おもむろにヘインが良く通る声でアギトの謎の行動、そして、その後の混迷するネビュラ大陸の情勢について語り始めたのだった。
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