第5話 決定
6時間目になった2-3のメンバーは健吾から球技大会の概要が話される。
「この球技大会は去年から始まったんだが、各クラス対抗の球技で順位をつける。
種目は、ドッジボール、卓球、サッカーの3つ。
これらから自分の所属する部活以外を選択し、チームを組んでもらう。
まあよくあるクラスの仲を深めるための行事だ。
ちなみにお前らが以前所属していた部活動についてだが、一応事情があって退部させてもらった。
だが、まあ本来の部活動と違うものにするのが賢明だな。
何か質問はあるか?」
「はい!」
女生徒が手を上げる。
「なんだ?」
「なんであたしら、部活退部させられてるわけ?」
「ああ、そのことか。
後で話すつもりだったんだが、お前たちの持つ力は一般人が持つには過ぎたものであると判断された。
そのため、放課後他クラスが部活動をしているとき力の制御の訓練をしてもらう」
「分かった。そういうわけね。あ!じゃあ、朝のは?」
「ああ、この活動の目的はお前たちが力を抑えて暮らすことができるようにするためだ。
だが、昨日の事件によって方針を変えざるを得なくなった。
だからそれに加え、必要な時には今より実力を出さなくてはならない。
すまないが理性をもって現在よりも大きな力を扱わなくてはならない、という大変な負担をお前たちに強いることになる」
生徒たちは
「先生、私たちは8か月だけ、そして異世界とはいえ人類のために戦っています。
覚悟を持って必ず自らの力と向き合い、コントロールして見せますよ」
「分かっているさ、俺も八ヶ月のハンディを努力で跳ね返したお前たちを信じてる。
だがな、力というものは人を簡単に変えてしまう……」
しんみりとした空気を感じ取った友輝が声を上げる。
「先生、話が脱線してますよ」
「おっと、そうだったな。それで、これから3種目の選手を決める。
まず、卓球は6人、サッカーは11人、ドッジボールは20人、そして補欠として3人を決める。
まずはそれぞれのリーダーを決める。立候補してほしいんだが、挙手してもらえるか?」
サッカーボールのリーダーは過去にキックベースの大会出場経験のある、加藤明が
ドッジボールはハンドボール部元部員の友輝が決まった。
あと一つ、卓球のリーダーが決まらなく皆が困惑していると、
「藍子、お前やれよ。」
「え、でもうちは……」
「おまえ確か中学で卓球やってたよな。お前うまいんじゃないか?」
「そんなことはないけど……
いつも補欠だったし」
「なあ頼むよ、藍子。お前の経験も役に立つと思うから」
「わ、分かった。やってみるよ」
明の説得に飯沼藍子が応じ、彼女が卓球のリーダーとなった。
レイラが声を上げた。
「先生、私は補欠枠で司令塔として活動させてもらえないでしょうか」
「ああ、なるほど。そういった補欠枠の使い方もあるのか。
全然問題ないぞ。むしろうまく扱えるようならほかの補欠もお前が選んでくれ」
「分かりました。では、賢治さんと優花さんを私と同じ補欠枠にしてもらえますか?」
「俺はいいが、二人はどうだ?」
呼ばれた二人、
「よし、だったら後はそれぞれのメンバー決めだな。
時間はまだ十分あるから時間内なら自由に決めてくれ。
それで、放課後になったら校庭にバスが乗り付けてるから全員できてくれ」
生徒たちが了承の意を示すと、健吾は残りを学級委員に任し教室を去った。
レイラと友輝はその後うまくクラスをまとめ上げ、それぞれの所属する種目を決定していった。
――――
30代ぐらいの若い男性が安置されており、静寂が満ちている。
突然、彼の肉体から紫の炎が吹き上がり、肉体を包み込んだ。
炎が消える頃彼の肉体は灰すら残らなかった。
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