花に言葉なんてないんだから
999本の薔薇にはいい意味があるらしいので、
1000本注文した薔薇から一本折って捨てたあと、貴方へ999本の薔薇を渡したのだけれど、
昨日から捨てた薔薇が私のもとにやって来て、
拾って拾ってと玄関の扉を叩いているのだが、
叩く時の音がぐちょぐちょと鳴っていて、
それがまるでドロドロになった肉を叩きつけているような不気味な音色であるので、
一向に私は玄関を直視できていない。
一行物語 惚狭間(ぼけはざま) @siroryuu
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