ぼくのこころはたなごころのうち、まさに滑稽

ふとゴミ箱の中を見て見たら私の知らないゴミが捨ててあって、

それはぐちゃぐちゃに丸められた遺書の失敗作のようで、

広げて確認した内容から察するにそれは私の弟の遺書らしく、


なぜか日に日に私のゴミ箱に山をなすように数を増していく遺書は徐々に文章が上手く達筆になって内容もグロテスクなものに変わっていくのに、


家の中ですれ違う弟はいつものように元気な顔をしていて自殺する気配はないので、

この遺書の正体はなんなのだと頭を傾げている間に三年が経ち、


あとから母親に聞いたのだが私には生まれてこの方弟なんかいないらしかった

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