ちょっと脱線、古典の復刊のこと
フレドリック・ブラウンからの話が続きます。
この連載は基本的には収録作品を順番に取り上げて、あれこれと書いています。少しでも深く、あるいは多面的・多角的に分析・考察をするために取り上げる作家の別の作品を読むことがあります。
今回の「危険な連中」では、短編集『真っ白な噓』(新訳)を読み返し、長編『手斧が首を切りにきた』を古書店で購入してきました。
東京創元社さんでは定期的に復刊フェアをやっています。復刊してほしい作品を読者アンケートで募り、上位のものをいくつか復刊させるという試みです。
手元の『手斧が首に切りにきた』のなかに復刊フェアのラインナップと、第五回のフェアのアンケートはがきが入っておりました。なんと郵便番号は三桁。はがきの左上隅には古くからのミステリファンにはお馴染みの「おじさんマーク」があり、おじさんマークのなかに「恐れ入りますが50円切手をお貼り下さい」の一文が。時代を感じます。
ちなみに1994年の復刊フェアの参加作品にはメースンの『矢の家』、アンソニー・ホープの『ゼンダ城の虜』、ベリャーエフ『ドウエル教授の首』、タイトルは伏せますがノックスのアレ。
涎の出る顔ぶれです。今、『ゼンダ~』は版元を変えて、割と入手しやすい状況だったような。
『処刑六日前』のジョナサン・ラティマーは『シカゴの事件記者』が復活しています。クリストファー・ランドン『日時計』もこの年に復刊。『悪徳警官』と『ビッグ・ヒート』とマッギヴァーンがなんと二冊も。
個人的にはクレイトン・ロースンの『棺のない死体』(『首のない女』ではなく!)が復刊されているというのが……
復刊や『真っ白の噓』のような「名作ミステリ新訳プロジェクト」、KADOKAWAさんで言えば、シャーロック・ホームズの新訳などの取り組みは海外古典を現代の読者に届けるために意義深い取り組みです。
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