登場人物に変わった苗字をつけたことがありませんか?

 物語が始まると、視点人物(語り手と解釈してもらってさしつかえないでしょう)はベルフォンテーン氏なる人物だとわかります。

 ベルフォンテーン。珍しい名前ですね。

 海外推理小説の世界を歩いてきて、たくさんの人に会ってきましたが、こんな名前の人物を筆者は他に知りません。

 読者のみなさまのなかに斉藤さんはいらっしゃいますでしょうか。田中さんでも結構です。山田さんでも佐藤さんでもかまいません。

 要は、学校や職場に自分以外に二人以上、同じ苗字の人がいるようなかたに呼びかけたいのです。苗字の後にカッコ書きで下の名前の最初の文字をつけられる人生を過ごしているかたに問いかけたいのです。

「よくある苗字で困ったことはありませんか?」、「珍しい苗字に憧れはありませんか?」と。

 変わった苗字に対する憧れは多くの人にあるかもしれません。

 ついでに、もう一つ、質問を投げかけることにします。

 ここは小説投稿サイトですから、多くのかたが小説を「書く」ことをしているわけです。もちろん、小説ではなくて評論を、というかたもいるでしょう。「読み専」のかたもいらっしゃるでしょう。

 ただ、カクヨムさんというものの基本は「小説を書いて読んでもらいたい」という人のコミュニティであるはずです。

 と確認をしたうえで、質問です。

「登場人物に変わった苗字をつけたことがありませんか?」

 ミステリにありがちなのは「名探偵に珍妙な苗字をつける」ことです。

名探偵が主役であることをはっきりさせたい。とか、日本を代表する名探偵の一人が《金田一》なんていう妙な名前なんだから、妙な名前をつけるのは伝統芸能の様式美みたいなものだ、とか、さまざまなご意見があるでしょう。

 小説の名手、フレドリック・ブラウンは職人です。

 なぜベルフォンテーンという珍しい名前を登場人物に与えたのか、はこの作品の一つのポイントになるのです。


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