評論を盛り上げたい

 ヒッチコックについて調べようと文献にあたっています。『ヒッチコック』(エリック・ロメール  クロード・シャブロル著/木村建哉  小河原あや訳/インスクリプト)や『トラウマ恋愛映画入門』(町山智浩著/集英社文庫)など。特に『トラウマ恋愛映画入門』のヒッチコックの映画「めまい」論が興味深い。

 一応、この【世界短編傑作選を読む】はカクヨムさんのジャンルでは【創作論・評論】でやらせてもらっているのですが、実質はミステリをネタにした軽エッセイ。評論を掲げるのはなぁ、という思いもありながらも続けさせてもらっています。

 そうか評論というのはこういうものかぁ、といちいちうなづきながら「めまい」以外の論も読んでしまっています。

 カクヨムさんのよく盛り上がっているジャンルは異世界ファンタジーとかラブコメとかなのでしょうが、評論も盛り上がって欲しいものです。

 ミステリ系の評論で新しい人が出てくるのはネットの大地からという時代でしょう。以前あった東京創元社の公募の評論部門はクローズして久しいです。近年ではメフィストや日本推理作家協会の記念イベント的に評論の公募があったものの、単発の企画でした。

 なかなか継続して公募とならないのは、評論がビジネスにはなりにくいからでしょう。一度は「ならない」と打ち込んだものを「なりにくい」と緩めたのは多少、評論の未来に希望を持ってよいのではないかと感じたからです。

 実際どうなのか、真偽のほどはわからないのですが、なんとなく評論分野は人と人との繋がりで新しい人が出てきたように感じます。

 なにも評論に限らないのですが、ネットは関係性抜きに「見つけられて」しまえば、無名の才能がぽんと跳ねてしまう傾向があるように思うのです。

そして、一度大きく跳ねれば、こぞって人々が集まるという好循環のループが生まれます。これがいいことかどうかはまた別の議論が必要だとも思うのですが。

 ライトノベルのプラットフォームという印象が強く、また実質的には利用者のメインがライトノベルを書き、読む層のため、作品数は少ないですが、カクヨムで読める評論にも面白いものはあります。

 きちんとした評論を書く勉強をしないとな、と、もっとカクヨムで評論が盛り上がるといいな、というお話でした。

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