世界短編傑作集を読む

なめくじはどこで出てくるか、ですって

　更新が滞っておりました。引き続き「黄色いなめくじ」です。

　今回は物語を少し進めて、「少年が妹と共に死のうとして謎の言葉を残した」から先の部分に触れます。犯人を明かしはしませんが、前情報を少なくして楽しみたいかたはご注意下さい。

　問題の兄妹の家に下宿していた女性が行方不明になります。捜査の結果、女性は死体で見つかります。兄妹の秘密基地的な場所から被害者のバッグが見つかります。果たして兄妹は犯人なのか。

　このあたりから普通の推理小説っぽくなります。筆者としてはココがやや不満。なにが起きたのかをもう少し長く引っ張ってもよかった気がします。

　あるいは被害者の設定を下宿人ではない別のなにかにして、兄妹と被害者の繋がりを見えにくくするくらいはしてほしいところ。

　兄妹は犯人なのかという謎に加え、序盤に提示された少年の不可解な言動の謎、この二つがどう結び付くかという興味が物語を引っ張ります。