どのレベルで騙すか

 ミステリは騙しの物語でもあります。言い換えると、誰かにとっての謎が解明されたときに驚きを伴うお話。

 この「誰か」がどの層、レベルに属しているかは大事なところ。

 素直に考えれば読者なのでしょうが、登場人物にとっても謎や恐怖や驚きがあるのかは「小説」として外せないポイント。

 この点、「疑惑」においてセイヤーズの手腕は冴え渡っています。すれたマニアはともかく、ママリイ氏の感じた驚愕といったら、それはもう地獄におとされたも同然でしょう。

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