意外と扱われているテーマなのかもしれない

 この「銀の仮面」は、日本でも大ヒットを記録したある海外映画と似ていることも頭の片隅に止めておいてもいいのかもしれません。

 巻末で戸川さんは「銀仮面テーマ」という言葉を用いていますが、あの映画もある意味では銀仮面テーマを扱っています。

 ウォルポールの「銀の仮面」は上流のソニアに読者が感情移入できるように仕組んでありますが、某映画の場合は下流の人々に感情移入するような構造になっています。ちょっとビクビクしながら書きますが、「奪われる」のはホラーで、「奪う」はコメディになるのかもしれません。

 映画の名前を出さずに書くのはどうかと思いながら書きますが、あの映画において、「上」「下」というのは非常に重要なポイントだったように思います。坂とか階段の描写がやたらと多いし、高さを描くにも関わらず、横から撮る構図ばかり。それだけに終盤に「真上から階段を見降ろす」構図があるのが意味ありげです。

 なんだか、いつになく歯切れの悪い書き方になってしまいました。もしかしたら、ネタばらしありの回で、映画作品のタイトルもきちんと明かすかもしれません。

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