仮面

 今回から「銀の仮面」を取り上げます。前回「二壜のソース」に引き続き、「奇妙な味」と呼ばれるジャンルの代表的な作品です。乱歩がこのアンソロジーに選出したから、より代表作という評価を確立しているはず。

 まずは基本情報から。

 1932年の作品。作者はヒュー・ウォルポール(1884―1941)、イギリスの作家です。この人もミステリを専門に書いたわけではなく、小説、戯曲など多岐に渡って活躍したようです。

あらすじを簡単に。老婆ソニヤが若い美青年と出会います。ソニヤは青年を家に入れてしまい……

 と、ここまでにしておきます。いや、それはあらすじではなく、物語の入り口にすぎないだろうという声が聞こえてきそうです。おっしゃるとおり。

 ですが、この話の紹介はここまでにしておいたほうがよさそうです。怪奇な事件が次々と起こる、とか、意外な展開が続く、といった作品ではないのです。多少、語弊はありそうですが、たいしたことは起こりません。

 ただ、怖いです。ただただ怖いお話です。

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