改めて壜のふたをあける

 行方不明になっていた用意してあった「二壜のソース」についての原稿が出てきました。なにも更新しないよりはと、書いてきた短い記事と差し替えも考えましたが、せっかく読んでいただいた方もいるので、そのままにしておきます。

 あらためて、今回からきちっと「二壜のソース」を取り上げます。一部、内容が重複しますが、大目にみていただけると助かります。それだけそこの部分を言いたかったのだと受け止めていただければ幸いです。

 では、あらためまして。再度、基本情報をご紹介しましょう。

 あらすじはこんな感じです。

 ある男のもとで暮らしていた女性が姿を消します。警察は男を疑うのですが、女の死体を処分したとは思えないため、捕まえるに捕まえられない。はたして、男は犯人なのか。

 探偵役のリンリイは同居人で語り手でもあるスミザーズの話から、一つの仮説を思いつく。

 このお話のタイトルになぜソースが関係するかといえば、販売員(営業マン?)のスミザーズの取り扱っている商品がナムヌモとおいうソースだからです。

 発表年は一九三二年。作者はロード・ダンセイニ(一八七八ー一九五七)。アイルランドの劇作家兼小説家。怪奇・幻想の短編小説が主戦場で、ミステリー専門の作家ではありません。

 ところが、ミステリ好きにはよく名の知れた人物。もっと言えば、この「二壜のソース」が有名。

 ガイドブック系のものでミステリの歴史をさらうようなマニアならば、まず「二壜のソース」という名前だけは見聞きしたことがあるはずという感じでしょうか。

 いわゆる「奇妙な味」と呼ばれるジャンルの代表的な作品です。といっても、「奇妙な味」もののすべてが「二壜のソース」っぽいかといえば、そうでもないのが難しいところ。「奇妙な味」もので「二壜のソース」の名前がよく挙がりますよね、という認識が一番、おさまりがいいような気がします。

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