これはミステリなのか

 この作品を取り上げる原稿を書く前に頭を抱えました。なぜならば「これはミステリなのか」という疑問があったからです。もっと言えば、「これは世界(推理)短編傑作なのか」という点で私は首を傾げたからです。

 あらすじを紹介しましょう。

 夜もやっている食堂(ランチ営業もしているバーみたいなところ?)を男二人が訪れる。軽口を叩きながら男たちは店員を脅し、一人を残し、店の奥の厨房に追いやる。店に来た人間は一人以外は全員、口実をもうけて追い返せ、と男たちは要求する。どうやら彼らの目的は店に来るある人物にあるようだ。男たちの目的は達成されるのか。そして、捕らえられた店員たちはどうなってしまうのか。

 普通のあらすじですと、男たちの目的を明らかにしているものが多いですが、あえて省きました。ここがわからないまま読んだほうがサスペンスの魅力が味わえると思ったからです。

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