探偵術教えます、の人

 今回からパーシヴァル・ワイルドの「堕天使の冒険」を取り上げます。

 読み返しても、あまりピンと来なかった作品。理由を分析すると、新版二巻から続く本格ミステリ、トリックの流れの続きで触ると確かにこれは違和感をおぼえるかもしれない内容。

「オスカー・ブロズキー事件」「ブルックベンド荘の悲劇」「ズームドルフ事件」「急行列車内の謎」というミステリ、ミステリした犯人当てとは毛色が違います。チェスタトンの「奇妙な足音」が一番テイストとしては近いかもしれません。

 作者が『探偵術教えます』の人だとわかると、楽しむツボのようなものがつかめて、急に面白く感じるのは不思議なもの。

 これは手がかりや伏線を目を皿にして拾うのではなく、ミステリを揶揄してるような部分をニヤニヤしながら楽しむ作風でしょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る