「空に走る」他作ご紹介+α

 こんばんは。企画も最終日ですね。

 自作の参加がいつも通り遅れてしまったのと、暇ができると思いきやますます忙しくなった8月で、あまり読む方が追いついておりませんが……これまで読ませていただきました作品をご紹介したいと思います。執筆時間も限られておりますので、各作品へのリンクは省かせていただきます。ご容赦くださいませ。


 ☆空に走る ~ 始皇帝暗殺を記述せよ/杉浦ヒナタ様

 まさか思いもよらぬ、中華風。いつの世にもある政治的陰謀と、それに立ち向かう……これは素晴らしかったです。独特な世界観に一気に引き込まれました。主要二人以外に妹が現れ、この三者の関係が物語の魅力を増していたように思います。彼らの別のお話も読みたいと思わせる一品。

 例え、結末がああであれ、「ペンは剣よりも強しCalamus Gladio Fortior」という言葉を思い出しました。


 ☆空に走る/@chauchau様

 どんでん返しにご注目。愛する人を失った、これは大きく人の心を揺さぶり、変えてしまうものです。その衝撃の大きさを、ダイレクトかつ読者驚きの方法で描いたのが本作ではないでしょうか。読者にとっての最後の衝撃まで、人物たちを歯痒く見守っていた私は、最後、言葉を失いました。


 ☆空に走る/狐塚メゾン様

 童話調の優しい語り口のお話。短いながらとても美しく、暖かく柔らかな、光の混じる雨の中で読んでいるような気持ちになります。別れてしまった葵と詞。でも、それを繋いでくれる狐さんが……また可愛くて、違和感ないのですよ。きっかけをくれる狐さん。もう、大好きな作品です。ほっこり、光が心の中に灯るような、美しい詩です。


 ☆空に走る(※ボーイズラブ 表記あり)/ホシノユカイ様

 現代のダイバーシティの問題をも取り上げた本作。今の世の中、変わりつつあります。力を持つメッセージが込められていると感じました。私は好みは人それぞれ、自由で良いと思っております。やはり大事なのは個人個人の感情だと。周りは、彼らの思いを踏みにじるほどに否定するのではなく、支えてあげてほしい、そんな気持ちになれました。


 ☆空に走る最新/肥前ロンズ(本日公開の部分はまだ未読段階、第二話まで読了の感想です。ご承知おきください。また、お許しいただければ幸いです)

 死んだ詞のAI! 斬新な発想に驚きました。天才である葵が詞に対する思いに、人間の存在や思索というものに、周りからは狂人と思われるほど取り組んでいる、と読みました。

 哲学的思索の含まれた、考えさせる一作。作者様の大変に深い考察が込められていると感じます。私自身も二度読みしましたが、まだ完全なる理解には至っていないでしょう。読書は分かりやすさだけが美徳なのではなく、「考えさせる」書物も優れたものだと思います。ウェブ小説界隈では「分かりやすさ、明解さ」が推されるきらいがありそうですが、この作品はその枠を超えた一作と感じます。


 ☆空に走る/シロクマKun様

 爽快! バイクで走れ! お題に真摯に取り組んだ作品ながら、暗い雰囲気はなく、冒頭からコミカルに(笑ってしまう、というより「ふふっ」て感じ)進む恋愛もの。幼馴染みの葵と詞、だからこそ一歩進めなかった関係でしたが……?

 私はバイクには乗れないのですけれど、乗ったこともないのですが、まるで一緒に道を走り抜けているような清々しさがあります。爽やかな風を感じたいならこちらを。


 ☆ 空に走る/野々ちえ様

 ちえさんの作品はご紹介も多いですね。内容は、本お題に対する一身上の感情よりちょっと言葉で表しにくいのですが、私がそうなってしまうほどの内容としてプラスに捉えていただきたく思います。演劇がテーマのお話です。

 個人的に感じたのは、ちえさんの名前の付け方。「雪を溶く熱」もそうでしたが、人物の関係を表すのに「呼び方」をうまくお使いになるなぁと発見しました。また、これまた個人的な感想ですが、ストーリーテラーとなる友人の言葉が、全体として回想的に書かれているため、「克服」を感じさせました。

 あ、私自身も演劇系の部活で、今でも大好きなので、その点はとってもとっても嬉しい作品でした。演劇は、のめり込むのですよ。そして本人たちは謙遜なさるかもしれないのですけれど、「役者」の才能はない、と裏方に回った方々のお力こそ、役者側が「自分たちにはできない」と感じる才能だったりするのですよねぇと思ったりしました。すみません、お話にほとんど関係なく思いました。


 ☆バルバル様

 まさに「走る」、というお題にどストレート。スポーツに励む詞と葵、葵が走るためには、やっぱり詞が必要だったのです。本当にゆあん様のお題直球。ですから多くを語らないほうが良い気がします。

 でも、男同士の青春の日々と、彼らの爽やかで、固くて、かけがえのない友情が、心の芯まで伝わってきます。思わず最後は、葵に「走れ!」と言ってあげたくなるような、そんな作品。


 お粗末ながら、読了したものを紹介させていただきました。引き続き、時間が許すところで読んでいきたいなぁと思っております。只今、読み途中の薮坂さんは、ご本人が他作でもキレの良い優れた描写を見せるSFバトル。この先が楽しみです。


 次は自作について少し語らせてくださいませ。

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