筆致企画プロットに共通するお題?&「空に走る」公開
こんばんは。
先週末に筆致企画5クール目、「空に走る」を公開しました。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919015892
もう5クール目になると、かなり緊張しましたが、皆様のご感想を拝読しまして、書いてよかったのかな、と思います。書く前に散々、悩みをぼやいていましたが、本当に悩んでいました。5回目ともなると。
ここまできて、これまでの筆致企画、共通点があるなぁと感じたことをつらつらと書いてみます(仕事書類のアップロードが終わるまで……ネット環境が混線するようになったものです)。あくまで蜜柑桜一個人の感想ですから、ゆあんさんとは無関係です。頓珍漢なことを申し上げていたらごめんなさい。
5回の筆致企画で、共通して上がってくるのは「メッセージを伝える」ということ。
『明日の黒板』→遠くへ行く春子と夏男。二人の間で交わされるメッセージ。
『葉桜の君に』→葉太から桜子へのメッセージ。
『雪を溶く熱』→去っていく秋人から美冬へのメッセージ。
『空に走る』→詞から葵へのメッセージ。
『海が太陽のきらり』→海斗が帰ってしまう前に陽子が「秘密の場所」に連れて行き、海斗がキスをする。これも一種のメッセージだと思います。
そしていずれの作品にも共通するのが「別れ」です。
『明日の黒板』→遠くへ行く春子と夏男。離れる二人です。
『葉桜の君に』→葉太から桜子は必ずしも離れませんが、葉太に「昔の恋人」との隔たりが感じられます。
『雪を溶く熱』→言うまでもなく「去っていく秋人」です。
『空に走る』→詞が亡くなっています。
『海が太陽のきらり』→海斗は海を去る前です。
上から1〜5としましょう。
このうち、1、3、5で「別れ」はプロットで言えば物語のいわば「結」部分(それぞれの作者様の話の膨らませ方は置いておいて)。
2、4では別れはプロット以前の部分。
そしてゆあんさんのプロットは、以上の前後どちらであれ、「メッセージ」が主要登場人物の心情変化に関わってきます。また、「別れ」と「メッセージ」が主要登場人物の「心情変化」に働きかけるようなプロット、と私は読みました(『葉桜』だけ、ここからずれますが、私を含め多くの作品が、葉太がメッセージを送る時の踏み台というか根幹というか、に昔の恋人が関わっていたと思います)。
出会ってからの時間は関係なく、自分にとって大きな存在が隣からいなくなるというのは、当事者にとってとても影響の大きい出来事だと思います。さらに言えば、「別れてしまう」という事実によって初めてその存在が大きいことに気がつく、というのもとても多いことです。別れの事実は、その存在をかけがえのないものにする。
必ずしも死別だけではないと思います。単身赴任などのレベルでもそう。大学生の一人暮らしもそうだと思いますし、さらに若い人なら、子供なら、初めての林間学校ですらそうした気づきに至る可能性があります。
そして筆致の登場人物のうち「別れる二人」はいずれも、そうした関係性の上にあると思います。
だからこそ、その「別れ」を背景に持つメッセージというのは、日常的なメッセージはもちろんのこと、ちょっとやそっとの機会に頂いた言葉以上に重みのあるものです。葉桜の場合では桜子と別れるわけではありませんが、恋人と桜子を重ねる時点で、「今は隣にいない大切な人」の存在がメッセージの意味の深さにつながってくるのだと思います。
側にいる存在に対して初めて気がつく気持ち、ですとか、
以上に挙げたような形で重みを持って心に訴える言葉が、どんなふうに私たちを変えるのか。
そして。私自身はプロットを以上のように読みましたが、
筆致企画参加作品を読んでいると、そのメッセージによってとんでもない結末になったり、「それは不憫!!」と思いながらも笑ってしまう結末になったり、幅が広くて面白いのが醍醐味ですね。
徒然思ったので、特に見直しもせず思うまま、徒然書いてみました。まだ言葉にできなくて、えーと、うーんと、って思って考えているところもある気がするのですが、とりあえず文にしてみました。うまいこと表現できてるかはわかりません(なんて無責任な)。
でも、こういうこと考えさせるのも、この企画の良いところだなって思います。
書くのはとっても緊張します。「筆致」を高め合うような企画ですし、参加者様は皆、書くも読むもとても優れていらっしゃる。だから、いっつも不安です。「ここ矛盾ないかな、指摘くるかな」
「この表現だと誤解を生んでしまうかな」「この言葉だと曖昧? しつこい? 無駄?」とか。
一定の読者がいて書く、というのは相手がいる仕事と同じでめちゃくちゃ緊張しますね。
でもやめられないんだな。何ででしょうね。
つらつら、独断と偏見で書いてみました。
今宵は涼しい夜。早く、秋、来ないかなー!
昔は大の旅行嫌いで、今は旅に出れずに「あぁもうっ!」と禁断症状の出そうな蜜柑桜でした。
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