厨二病は変身くらいでは驚かない

(グッ! まさか我がここまで押されるとは。あのよく分からん力を使う奴はもちろん厄介だが、その横にいる古代魔法を使う者もなかなかやりおる。


後はあの毎回コソコソと動き回っているやつだが…………地味に我の動きを邪魔する。排除しようと意識をアイツに向けた途端に攻撃を受ける。常に味方の動きを予測して動いている。どうやら我は敵の力量を正しく測りきれなかったようだ)


「こいつ全然倒れないぞ一!」


「大丈夫。確実にダメージは負っている……はずだ」


「ファウスト、コンビニエンサー! 」


「なんだよ翔」


「なんだロード」


「しっかりと前を向け! 剣を掲げろ! 戦いは終わっていない!」


「翔……」


「そうだ! その通りだ。ありがとうロード! 俺達はまだ終わってない」


「クックック」


『!?』


「いやはや、我をここまで追い込むとは……しかぁし! 貴様たちはここで終わりだぁ!」


魔王の体はみるみる形を変える。その体はまさしく龍。


「これが私の本当の姿。双頭邪龍フルレイムノーガよ! どうだ! 恐れを為したか?」


「まぁ裏ボスの変身はベタだし……というか、。」


「そうだな。何気にさっきのザイガスって野郎の方が、なまじ狡い手を使って多分やりずらかったよな」


「魔王よ。強がっているのかもしれないが、そんなこと、俺達はお見通しだ」


「何?」


「俺達がただ走り回っていただけだと思っていたのか?」


「ファウスト! 」


「ああ!」


『喰らえ! 合技、ブラックメテオストライク・オブ・ジ・ジャッチメント』


(合体技は結局技名を繋げただけかよォ〜)


「私の魔力が、体がァァーー」


「その一撃は、質量の重いものほど威力が増し、お前を消滅させるまで消えることは無い」


「無限に続く、黒い星々に砕かれろ!」


こうして魔王は倒されたのであった。


「魔王……呆気なかったな」


数時間前


「魔王戦。どのような作戦で臨むかだが……」


「やっぱさ、さっきの奴にあれだけ苦戦したんだから、ここは大人しく逃げようぜ 」


「馬鹿か貴様は! やっと俺が禁断解放を果たしたんだ。魔王にもお見舞してやらなきゃおかしいだろ!」


「おかしくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! それにお前はいいかもしれんないけど俺だけはまだ何にも目覚めてねぇーんだよ!」


「まぁまぁ2人とも落ち着け。とはいえ、俺たちの攻撃が通用するのかどうかは分からないからな」


「………………ちゃかり魔王戦前提じゃねぇか」


そして、拓斗はもう諦めたのか、


「じゃあ合体技とか使えば?」


と二人に提案する。


「合体技?」


「そうだよ。あるあるじゃんか。最終決戦で何人かが力を合わせて放つ一撃……みたいな奴」


「そうか! 合体技なら威力は跳ね上がる!」


「とはいえ、俺ももう力を使うには3発分位しか残っていない」


「俺もよくわかんないが、打てて1回な気がする」


「翔は覚醒してからちょっとはじめ寄りになりやがったよなぁ。チェ、俺は何も使えねぇってのに」


「いや、先程の戦い。お前がいなければ倒せなかった。流石だコンビニエンサー」


「いつもパシられてやってたたおかげだ!感謝しろ」


「とりあえず、練習したいのは山々だが、お互いフルコンディションとはいかない。だが! ここまで来たんだ。もはや逃げも隠れも出来ない!」


「じゃあどうすんの?」


「案ずるな。合体技は必ず成功させてみせる! それよりもっと大切なのは、!」


「ああ。渾身の一撃も、当たらなければ意味が無いからな」


「そうだな」


「そこでだ。まずは俺達が魔王を素早い動きで撹乱する」


「うん」


「そうしてちまちまとダメージを与えていれば、そのうち魔王は大きくなる」


「!?」


「ああ、伝わりにくかったか?」


1? その事だ!」


「そういう事か。ようやく理解できたぜ」


「魔王を焦らせ、的を大きくしたところで俺達の全力を叩き込む」


「色々と穴がありそうだが、お前らならやってくれる気がする!」


「任せろ!」

「任せておけ!」


「よし! じゃあ行こうか! 魔王戦へ!」

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