第262話
「さてと、思ったより長引いたな」
体育館から出ていく
彼女はホワイトボードを指差すと、2人目の挑戦者である
【猟師と獲物】
【花より宝よりドラゴン】
「残ってるゲームはこの2つ。好きな方を選んでいいぞ」
「わ、私ですか?! えっと……」
緊張MAXでオドオドとしている彼女を、
「あ、ありがとうございますぅ」
「元々勝てる相手じゃないんだ。あまり悩みすぎない方がいいよ」
「そうですよね、おかげで落ち着いてきました」
萌乃花はそう言って微笑むと、深呼吸をしてから下側のゲームを指差した。どうやら気持ちが固まったらしい。
「【花より宝よりドラゴン】でいいんだな?」
「はい!」
元気な返事に紗枝は口元を緩ませると、舞台に上がって来いと手招きをした。
ゲーム台は先程までマスが映っていた画面はビリヤード台のような緑一色を映し出し、そこへやってきた会長と文化祭委員長が両者にそれぞれ5つずつ手のひらサイズの宝箱を渡す。
「お、重いです……」
「本物の金を使っているそうだ。絶対に落として傷つけたりするなよ? 絶対にな?」
「ひゃ、ひゃい!」
会長に脅され、慌ててそれらを台の上にを置く萌乃花。その際にパカッと開いた宝箱の中を見て、彼女は「ほぇ?」と首を傾げた。
「それぞれ、中に何か入ってるだろ」
「これは……ドラゴンさんですか?」
「ああ。これからやるのはそれを奪い合うゲームってわけだ」
【花より宝よりドラゴンのルール説明】
両プレイヤーはそれぞれ、以下の四種類のコマを所持している。
・ドラゴン(1個)
・銭袋オバケ(1個)
・花の怪物(1個)
・偽者の種(2個)
また、8枚の支援者カードは全て該当するランクの『冒険者カード』となる。両者同じ内容のものを所持している。
・A級冒険者(1枚)
・B級冒険者(1枚)
・C級冒険者(1枚)
・D級冒険者(2枚)
・E級冒険者(2枚)
・F級冒険者(1枚)
ターン開始前のトレジャーフェイズ時、プレイヤーはそれぞれが見えない状態で宝箱にフィギュアを入れる。この時、フィギュアを余らせてはいけない。
次のセットフェイズでは相手の宝箱の中から1~5個を選び、その前に『冒険者カード』をセットする。
ターン最後のオープンフェイズで、冒険者よりも強い敵が対象の宝箱に入っていた場合、その『冒険者カード』は墓地へ送られる。
フィギュアの強さと獲得ポイントは以下の通り。
・ドラゴン 10ポイント
A級冒険者でしか倒せない。
・銭袋オバケ 5ポイント
C級以上でしか倒せない。
・花の怪物 3ポイント
E級以上でしか倒せない。
・偽物の種 1ポイント
宝箱がミ〇ックになる。
F級冒険者でのみ倒せる。
ミ〇ックを倒して偽物の種を5つ集めた時、それを消費する(5ポイント分失う)ことで、相手の真ん中の宝箱に入れたコマをドラゴンと同じポイントにする。
また、セットフェイズでは両プレイヤーは各ターンに一度だけ『質問』が行える。ここで聞かれたことは正直に答えなければならず、嘘が判明した時点で失格となる。
ただし、両者はこのゲーム中『質問』に対して一度だけ嘘をつくことが許される。嘘をついたタイミングは明かされず、二度判明した場合に相手プレイヤーが勝利となる。
7ターン終了した時点で、残っている冒険者カードをポイントに換算する。A級とF級が10ポイント、B級とC級が5ポイント、D級とE級が3ポイントとなる。さらに、質問に対して嘘を使用しなかった場合、20ポイントを加算する。
最終的な獲得ポイントの多い方が勝者となる。
「A級とF級、そして質問が鍵になるってことだな」
「うぅ、難しそうなゲームです……」
「なら降りるか?」
その挑発的な質問に覚悟を決めた萌乃花が首を横に振ったのを見て、紗枝は先程とは違った意味で口元をニヤリとさせた。
「ならゲームスタートだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます