09)「緊急特集、下衆《ゲス》ギルドに正義の鉄槌を!」
「第一回:初心者さんに聞いてみた! 五等級冒険者アイリス・マッケンジーさん」にて掲載いたしましたインタビューで、アイリス・マッケンジーさんが所属するギルドで冒険者へのパワハラ、セクハラなどを告発頂きましたことをこの場でも感謝いたします。
「迷宮ウォーカー」特務班でもその真実を裏付けるべく独自取材と調査を重ねました結果、銅等級冒険者ギルド【燦々たる二つ首のトカゲ】のギルドマスター、トニオ・ランデルの罪状が明らかになったため、ここに告発いたします。
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【燦々たる二つ首のトカゲ】が冒険者協会からギルド認定を受けたのは八年前。当時は二等級冒険者トラサルディ・ランデルをギルドマスターに据えた大変優秀な銀等級ギルドで、所属ギルド員は百名を超えていたそうです。
しかし、ギルマスのトラサルディ氏が病に倒れ、ギルドを息子のトニオ・ランデルに引き継いだあたりから雲行きが代わったそうです。
「トニオは放蕩息子ってやつでさ。大した実力もないのに親の傘の下で偉そうにしていたわけだ。当時の【燦々たる二つ首のトカゲ】にゃ、次のギルマスはこの人しかいないって実力と人望を持った冒険者もいたんだが、先代が馬鹿息子に譲っちまったもんだからその人も抜けちまってな。一気にギルド員は半分以下さ」(当時のことを知るギルド関係者の証言)
トニオ・ランデルの冒険者としての実力は三等級だが、それ以外の悪事で名を挙げていたことが本誌取材の結果明らかになりました。
「一つは違法な人身売買さ。ヤツは闇落ちした禁忌術士と手を組んで、違法な洗脳魔術で奴隷を作って、それを売買している犯罪組織と手を組んでいたのさ。他所の冒険者を迷宮の中で捕まえて、禁忌術士に洗脳させて売りさばくって寸法さ。男は労働力として死ぬまでこき使われ、女は肉穴として娼館行きさ。あいつのタチの悪いところは商材にしちまう相手が冒険者だけじゃなくて、街の一般人も含まれるってところさ。王都マンディラで行方不明になった連中の殆どはヤツの手にかかって売り飛ばされたって話だぜ」
(ギルド関係者の証言)
この証言を元に衛兵団と秘密裏に捜査を続けた結果、トニオ・ランデルとその手下は全員斬首、【燦々たる二つ首のトカゲ】も解体となりましたことをご報告致します。
また、この場をお借りいたしまして、今回のガサ入れにご協力いただいた冒険者諸氏に感謝を申し上げつつ、御言葉を頂戴いたしましたので掲載致します。
一等級冒険者ドンジョバン氏
「あいつらやばい。証拠を隠す気もなかったあたりがやばい。むしろなんで今まで捕まっていなかったのか考えると治安がやばい」
二等級冒険者ライナーロック氏
「そもそもああいう連中に捕まっちまうしょぼい冒険者は自衛が足りないっていうかさぁ。悪い奴らに悪さされるほど弱いお前が悪いって思うんだが。え、悪い連中を擁護するなって? だってそれが真実だろ? 適当に誤魔化してほしかったらこのインタビューの報酬、もう少しあげてもらいたいんですけど。だって僕も嘘とか言い
三等級冒険者ダークインフェルノ氏
「ふっ、我より悪に染まるとはけしからん。いいか編集者よ、我が名はダークインフェルノ。この右腕に封印された悪魔がうづいたときには悪徳ギルドはつぶれていた。そして一味だと思われて我まで捕まった。もう少し貴様らが来るのが遅かったら断頭台で首チョンパされていたところだ。まじ怖かったありがとう……」
四等級冒険者サラ氏
「やつらのを何本もちょんぎることができました」
五等級冒険者ウーズナート氏
「なんで一介の雑誌社が街の衛兵どころか領主様とか王国を動かすほどの権力もってんの!?」
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