05)「初心者もこれで安心! 低階層のモンスターリスト(第一階層)」!
「水の絶望迷宮」で
しかし迷宮の中には魔素に引き寄せられたモンスターがいて、独自の生態系を持って生きています。そこに足を踏み入れるのであれば、まずは敵となるモンスターのことを知っておく必要があります。
本誌では全十階層のうち、迷宮の入り口から近い順に「低階層」と呼ばれている所に出現するモンスターをリストアップしました。他誌では真似できないこのボリューム、是非ご一読ください!
【ご注意】
①どの迷宮でも同じですが、魔素に毒された死骸はアンデッドモンスター化することがあります。迷宮内には死体や骨や汚物を食らう虫やモンスターが多いため、放置しておけば数時間で跡形もなく消滅しますが、熟練冒険者を目指すのであれば、倒したモンスターがアンデッド化しないように首を切り離すことを心がけましょう。
(首落としは冒険者協会が推奨している殺傷方法で、冒険者のマナーです。特にドラゴンなどの巨大なモンスターはアンデッド化すると非常に厄介なため、首落としは義務付けされています。これをしなかった場合、罰則もありえますのでご注意ください)
②本誌ではアンデットと化したモンスターは記載しておりません。アンデッドとして発生した生粋のアンデッドモンスターのみ記載いたしますことをご了承ください。
③こちらに掲載されていないモンスターと遭遇した場合、それは本来その階層にいるべきではない「
また、稀に同種のモンスターなのに色味が違うことや体格が違うなどの差異がありますが、それらも「
冒険者界隈では「赤くなったモンスターは三倍早い」という共通認識がありますので、こちらも覚えておきましょう。
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【第一階層モンスターリスト】
◯バブリースライム
強酸性粘体生物です。自然界ではそれほど大きくないものですが迷宮内では魔素の影響で巨大化し、人間も襲います。目立つ紫色の「魔核」を破壊すれば消滅します。
このモンスターに襲われても肌が酸で焼ける程度のことですが、粘液で革製品が溶けてしまうため、革鎧などの修繕費用が馬鹿にならない事と、大した稼ぎにならないモンスターであることから、冒険者から嫌われています。
稀なことですが、冒険者が迷宮内で休憩中にこのバブリースライムが鼻や口から体内に入り込み、内蔵を酸で焼くという悲惨な話もあります。決して油断しないように、休息する際は冒険者訓練校で習った結界を必ず作るようにしましょう。
◯ゴブリン
単体ではヒューム種の八歳児程度の身体能力しかありませんが、集団で襲ってくると厄介です。また、罠を張ったり背後から奇襲してくることもあります。
最も恐ろしいのは、我々人間を男女関係なく強制的に孕ませて仲間を増やそうとする性質があるということです。ソロ冒険者はゴブリンの集団には注意してください。
近頃でもこんな事件がありました。
美食家を自称して様々な女性と浮気していた亭主に怒り狂った妻が、その亭主を縛り上げてゴブリンの巣に叩き込み、孕ませの刑に処しました。その奥方、実は二等級のベテラン冒険者だったとか。
亭主に同情はできませんが故意にゴブリンを増やした罪で奥方も冒険者協会から罰せられることでしょう。誰も幸せになれないので、皆さんは浮気などしないように!
◯はぐれ義賊/盗賊
「
こういった者たちは冒険者協会が定めた規約によって「モンスター」として扱われ、殺害しても罪にはなりません。冒険者を襲う彼らに人権はないのです。
彼らのようなはぐれ義賊/盗賊は様々な種族からなることや、義賊だった頃の経験と冒険者だった頃の等級により、実力には大きな差があります。中にはかなり熟練した者もいますので注意が必要です。
しかし浅い階層やこの「水の絶望迷宮」に熟練の盗賊は多くありません。熟練していればもっとお金を持っている冒険者を狙って、稼ぎの良い場所で罠を張るのですから。
はぐれ義賊/盗賊たちは借金奴隷や犯罪奴隷になるのを嫌がって逃亡し、迷宮の住民に身を落とした罪人がほとんどです。
あなたが「善良の戒律」であれば、殺さずに捕まえて冒険者協会につれていくと褒賞がもらえるでしょう。
あなたが「冷徹の戒律」であれば、連れて行く手間を考えて殺して首を持ち帰った方が早いでしょう。
あなたが「均衡の戒律」であれば、その時の状況や相手の出方、自分の気分などを総合的に判断して決めていいと思います。
全ての戒律に言えることは「逃がす」という愚行は犯さないこと。
彼らはその場から逃げてもあなたより弱い冒険者を襲うだけです。モンスター認定されている彼らに良心の呵責や道徳を期待してはいけません。
◯クログロムシ
これはモンスターではなく普通の昆虫ですが、迷宮の魔素によって自然界にいるクログロムシより凶暴なため、モンスター扱いされています。
しかしその役割は自然界のクログロムシ同様、迷宮内の死体や汚物を食す小さな掃除屋です。この昆虫の捕食能力は低く、死骸を漁るしか力はありませんが、どんな骨でも食らいつく顎の力は、噛まれると簡単に皮膚が裂けるので注意してください。
冒険者ギルドで受けた依頼によっては、モンスターの死骸の一部を回収するものがあると思います。クログロムシはそういった死骸に群がる性質がある昆虫なので、もしも広範囲攻撃魔術を習得していないうちにクログロムシの大群に襲われたら、死骸の一部を諦めて捨てましょう。
奴らは興奮すると死肉と生肉の違いもわからず、生者の肉を食い破って体内に潜り込んでくることもありますから……。
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