02)「水の絶望迷宮でショップ巡り」

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 迷宮の宿「水まくら」

 ・年中無休(休憩二時間制)

 ・床数六(セミダブルコット。貸し毛布あり)

 ・食事なし

 ・お湯なし

 ・予約不可


 入り口ロビー簡易ベッドコットを広げた休憩場所を提供している簡易宿屋。そのコットや毛布は長年洗われていないためアカノミやテツダニの温床になっているが、体を休めたい冒険者たちで賑わっている。


 個室ではないので、貴重品を盗まれないように(貴重品の管理は自己責任です)注意して、深く寝入らないようにご注意を!

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 迷宮の雑貨屋「レイクサーペント」

 ・年中無休(営業時間 朝七時~夜十一時)


 入り口ロビーには、水の絶望迷宮で入手した様々なアイテムを買取・転売している多くの露天商がいるが、立派な蛇の描かれた看板を掲げているのがレイクサーペントだ。


 相場は「買取金の三倍額」で販売するのがこの迷宮の露天商だが、レイクサーペントは良心的に二倍の金額で販売してくれる。ここは買取金額が高く、よその露天商が十を三十で売るところを、一五を三十で売る。その分利益が低いのではないかと心配になるが、持ち込まれる品がよそより圧倒的に多いため、少々の薄利でも利益は十二分に上がっているらしい。

 水の絶望迷宮入り口は商業ギルドの規定が届かない場所なのでこういう「他所を出し抜く商売」がまかり通るのである。


 もちろん王都に帰ればもっと高く買い取ってくれる店ばかりだが、この場で即金が欲しい場合や、増えすぎた荷物を処理するために露天商を利用する冒険者が後を絶たない。

「どうせ売るのなら高く買い取ってくれるレイクサーペントで」ということで冒険者たちはこぞってここで売り払っている。


 ちなみに冒険者が品を持ち込んでくれなくなった他の露天商が買取と販売の相場をレイクサーペントに合わせつつあるらしいので、新しい手を打ってくる可能性もあるので超チェックだ。

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 迷宮の食事処「水草亭」

 ・年中無休(営業時間 朝六時~夜九時)

 ・席数七テーブル(六人がけ)

 ・酒あり

 ・予約不可


 水の絶望迷宮やクシカル湖で捕れる土地のものを調理してくれる簡易酒場。

 入り口ロビーで唯一の食事処なのでとても賑わっているが、席数が少ないので殆どの冒険者は地べたに座って食事を楽しんでいる。


 この店の名物は迷宮内で捕れるクシカルロッキングマイマイを焼いたレゼスカルゴと、その食べ方がわからずに殻ごと噛み砕こうとして歯を折る新人冒険者の悲鳴だろう。


 編集部オススメはクシカル湖に来てこれを食べない冒険者はいないと言われる名物中の名物「クシカルアリゲーターの炙り肉」だ。早く食べないと迷宮の魔素を浴び続けてアンデッド化するので注意!

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