第8話 木村夫妻紹介編
私は木村燈。アニソン歌手兼作編曲家としても活動している。
アニソン歌手としては、AKARIという名義で活動している。
普段はPCのDTMで作曲するけど、アイデアが詰まったら五線譜と筆記用具、スマホに最低限の金銭をもって、外に出て散歩しながら良いメロディーモチーフが浮かんだら五線譜にメモって………という作業を繰り返す。
外に出てぶらぶらと散策するのが元々好きで、「こんなところにこんな店があったんだ~。」と発見して、気に入ったものがあったら記念として、雑貨やちょっとしたお菓子を買っていく。そして、少し小腹が空いたら買い食いする。というのが趣味なのである。
その発見した時の嬉しさとか、驚きとかを曲に表している事もよくある。
ただ、PCの作業となるとかなり神経を使うため、誤ってデータが全部消えてしまった時のあの絶望感はもう、かなりメンタルにくる。
ただ、私の親友小説家橘綴こと、斎藤詩乃と共通の趣味の音源データを編集するときは全然失敗しないんだよなぁ…………………………。
一番失敗したくないものに限って、簡単なところでミスすることが結構多い。
あるある過ぎて、嫌になる。
私の紹介でちょっと長くなっちゃったけれど、この人が私の夫、木村幸人(幸と呼んでる)。職業声優。
私もアニメは好きでよく観るから(詩乃ほどガチ勢じゃない。)、私の分析だけど、幸はよく主人公のライバルとかドSキャラ、クールなイケメンキャラ、正体不明の主人公たちを翻弄するキャラなど。主人公にとって鍵となる役を演じるのが多い気がする。
いま挙げたキャラは設定はもちろんそれぞれ違うけど、どれも共通してるのが「クールでイケメンで性格が冷めている感じ」のキャラなのである。
アニメで観ても、「これ素じゃね?」と思うことがほとんどだ。
家(プライベート)でも、実際に性格はクールで淡泊、何考えてるのかさっぱり分からない。
あれが面倒くさいー、これが面倒くさいー。と言いつつも、仕事を何でもこなしてしまえる実力者だ。
賢いし、容量も良いし、ルックスも良いと思う。(幸本人には絶対言わない。)
こいつは、学校で「テスト勉強した?」って聞かれて「全然してなーい。ヤバいわー。」と言いつつも、テストで100点余裕で取るタイプ。
本番に実力を発揮する、強いスキルをもったヤツだ。
この容量の良さには、流石にめちゃくちゃムカつく。私がやっとの思いで積み重ねて、得てきたものを簡単にやってのけ、それ以上の力を繰り出してくる。
けれど、私たちの見えないところで努力しているのも知っているから、何も言えないのだ。気に食わないけど。
私たちの出会いも後々話すとしても、初めて会った時からかなり衝撃的な奴だったけど。しかもこいつと結婚するなんて想像もしてなかった。
幼少期があれだから、人間不信もまだあるし、人と関わるのが少し怖いと思うこともある。
けど、幸のやや毒舌と正直さに救われた所も何度かあったし、あの強気な肝の据わった態度に「落ち着け。大丈夫だ。」と勇気づけられたこともある。
だから私たちは夫婦であるけど、戦友でもある。と、きっとお互いに思っている。
自分の意見や気持ちを発言する事が許されなかった私たちは、今、職種は違うけれど、お互いに「声にして伝える。」という仕事をしている。
私は音楽で。幸は声優という顔の見えない、声で感情を表現する。というやり方で。
面と向かって本音を言葉にするのが特に難しい、このご時世。
今困難の壁に立ちはだかっている人達に、私たちの「言葉じゃない言葉」が届いたらいいなと思ってる。
きっとそれは、幸も思ってるんじゃないだろうか。
そう思いたい。
だから私たちは、声に出すのだ。届けるのだ。
心を、意志を、熱を。
燃え尽きるその時まで、いつまでも。
登場人物
木村燈(きむらあかり) 木村幸人(きむらゆきと)
性別 女性 性別 男性
身長 168㎝ 身長 178㎝
性格 姉御肌、ツンデレ、やや大雑把 性格 冷静、淡泊、ムッツリ
職業 歌手&作編曲家 職業 声優
配偶者 木村幸人 配偶者 木村燈
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