第31話 メンバーとは信頼関係を構築するべし

流れで、ヒロは、ジュドーとメグに聞いてみたかった質問をする。


「お二人は、どうして冒険者をしているんですか?」


二人はヒロの方を見た。

ジュドーが先に答えた。


「俺は、自分の力を生かしたいからだな。

 昔から剣の扱いは人より得意だった。

 それをさらに磨きつつ、人の役に立てられるような職業は、冒険者が一番良さそうに思ったんだ」


眩しい。屈託のない自信を持った顔。

貢献のために命をかけられる人間。

純粋にすごい。そうヒロは思った。


「ジュドーさんは、すごいですね。

 実際に、たくさんの人々に感謝される仕事をしていますし」


プロジェクトマネージャーたるもの、メンバーとの信頼関係は重要である。

普段のこう言った雑談も重要なのだ。


だが、そんなプロジェクトマネージャーとしての責任感を除いても、純粋に二人のことをもっと知りたいとヒロは思っていた。


冒険者なんていう危険な職業、ヒロなら率先してやらない。

ヒロはプロジェクトマネジメントの延長で、やむを得ず冒険者のパーティーに参加しているだけだ。

だからこそ、ヒロは彼らに人として興味があったのだ。


ジュドーはヒロに答えた。


「そうか?

 剣で食ってくには、この職業が一番ってのもあるがな」


「なるほど。

 ジュドーさんにとって冒険者は天職なのかもしれませんね。

 メグさんはどうですか?」


話を振られたメグは、黙った。

ヒロは耐えられずに話す。


「いや、話したくなければいいんです!

 変な事聞いてすいません!」


メグが無表情で話す。


「いや、大丈夫。

 どう話そうか、迷っただけ。

 …私は、ある男を探している。

 そのために、冒険者をしている」


「ある男…?」


ヒロは問い返した。

ジュドーも興味深そうに聞いている。

メグが話を続けた。


「私は両親を殺された。

 エルザスという男に」

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