第13話 ○ね、豚ども!
ジャキッ!!
マスケット銃をアイテムボックスから取り出し、構えて、豚の頭に突きつける。この一連の動作にかかる時間はわずか1秒にも満たない。
三銃士エリアで感じたのが、戦いにおいて1番無防備になる状態は、アイテムボックスから武器を取り出して構えるまでの状態なのではないか、ということだ。
だから練習した。もうめちゃくちゃ練習した。幸い的はいっぱいあったのでレベル上げついでにすっごい練習した。
数えきれない程練習した結果がこの早業だ。案の定豚どもには早すぎてよく見えなかったらしい。
「……?…………!ヒィッ!!」
「ようやく気づいたか、この豚どもが。」
こいつらが発する言葉1つ1つが怒りを増幅させる。この豚どもをどう料理してやろうか。角煮か?トンカツもいいな。俺的には豚汁もありなんだよな。まぁどちらにしても
ぶっ潰す
俺はマスケット銃の引き金を
「ダメッ!!」
ドパンッッ!!
突然伸びてきた白い手によって狙いをずらされたマスケット銃は、豚の頭1つ分横に漆黒の弾丸を吐き出した。
その光景を見て俺は遅まきながらゾッとする。もう少し遅かったら俺はこいつを殺していた。
危ないところだった。
感じる恐怖を必死に隠しながら努めて冷静に告げる。
「俺の前から消え失せろ豚ども」
「「「「「はっ、はいぃぃ!!」」」」」
豚なりに頑張っているであろう速度で走り去っていく姿を見て、ようやく少し落ち着きを取り戻してきた。
さっきは怒りでどうかしてたな。いきなり街中で銃ぶっぱなすって、相当ヤバいやつじゃん。
真の紳士、略して真士失格だな。どんなときでも冷静に行動してこその真の紳士、略して真士だ。俺もまだまだ精進しなければ。
「……あの…」
「ん?」
振り向くとそこにいたのは
「……天使?」
「はっ?」
おっと失礼、天使じゃなくて俺の推しだったわ。
「ごめんごめん、見間違いだった」
「は、はぁ……」
……あれ?舌打ちがない?おかしいな、たしかこの子は極度の男嫌いで、初対面の人にはかなり冷たいはずなんだけど。やはりあの豚どもが原因か?
「……あの…」
「ん?」
振り向くとそこにいたのは
「……女神?」
「はっ?」
「ごめんごめん、見間違いだった」
「あの…さっきもこの流れしましたけど……」
なん…だと…!?全く気がつかなかったぞ!?これが推しの力だというのか……!(ちがう)
「さっきはありがとうございました。自己紹介が遅れましたがボクの名前は……
……あぁ名前ね、あなたの名前なら知っている。むしろ忘れるはずがない。俺の推しの1人なんだから。
あなたの名前は………
黒島 瑞希です」
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殺しかけたのに平然と茶番を行う主人公、ちなみに作者は豚汁に1票
投稿遅れてすみません。
投稿時間って何時ぐらいがいいんですかね?
読んでくれた人に感謝!
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