つまんない之唄

雨の日はつまんない

どこにも行けない 寒い 眠い

ゲームはそこまで上手くないから出来ないし

布団の中から出られない

お腹がすけば何かつまむけど

それ以外は出たくない




雨の日はつまんない

スマホのゲームで欲しい子が出ても

面倒な周回ばかりで飽きるのが常

月の課金は大体3000円

それでも足りない時があったりするから

世の中は理不尽なもんなんだ





雨の日はつまんない

着替えて出ても外は寒い

最寄りのコンビニ 徒歩7分

自販機 薬屋 すぐだけど

そこ以外は行けないし

電車に乗らなきゃ映画館にすら行けないから

結局寒いのを我慢するのは同じこと



意外と苦しい雨の日を

知らない人はいないけど

楽しいという話も聞いてない

WiFiですらも遅くなり

必要だけど

デメリットの方が多すぎないか




家の中はつまんない

遊び道具やゲームはあるけれど

外に飛び出す方がいい

一日家にいるくらいなら

外で働く方がいい

休日ならばどこかに行って

ハプニングが起こっても それはそれでしょうがない



家の中での研究は限りがあるから

外に出ないといけないのだ

色んなことを知りたいから

窮屈だから

外に出て 楽しくなるんだ

「楽しかった」と言えるように



こういう日は些細なことでも遅くなりがち

だから 映画館に行こうと心に決めても

中々踏み出せなくて

長靴履かずに いつものスニーカーで

雨の中駆け出すと

まだ外は明るかった



映画館に行く前にジュースとお菓子を

買っていく

それだけじゃ足りないので

ポップコーンも買っていく

映画館らしくていいでしょ?



案内されたスクリーン

何故か(仕方ないっちゃ仕方ない)周りはガラガラだけど

そんなことより見たいものを見るのが先だから

今日が何の日かなんて関係ない

楽しい世界を見せて欲しいから




楽しい世界は終わったが

後にはつまんない日常が待っている

まるで祭囃子のようだった

その非日常は




一度だけの楽しい思い出繰り返し

また次の日常を歩んでいく

アルバムに 一枚ずつ

スナップ写真を収めながら

長い道のりを歩いていく




どんなに味気ない灰色の写真でも

その中には笑顔が写ってる




映画が始まる前だけど

予告を見ていた時のこと 

どこかで見たようなドギツイ空間

そこにどこかで聞いたようなセリフ

二つが合わさった映画が近々やるって

楽しそうだなって思った




今まで2回しか来てない映画館

今度は晴れた時に行こうと思う

音ゲーはまた今度

ケラケラケラケラ笑いつつ

暗い道へ飛び出した



変わらず雨は降っていた

寄り道できない時間帯

少しだけ服が濡れたけど

あったかい家に駆けていく

最近は色々集まりすぎて

寂しい思いをしているから

たまにはこういうのもいいよね



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