第82話 自分達の力で……(その3)
ドラゴンを討伐後マリーはすぐさま『パープルサンダー』を使用して瀕死になったジョセフを回復しようとするのだが『ヒール』では完治する前にジョセフの命が尽きるとのことからマリーは多大な魔力量を必要とする『ホーリーヒール』を使用。
暫くは安静にしなきゃいけないとのことでマリーはワトソン王国の宮廷に『エニィウェアゲート』を開きリサとジョセフだけ先に帰りテレサ達は誠達のもとへと『エニィウェアゲート』を開く。
「ジョセフ君、もう『パープルサンダー』は使わない方がいいわよ。あの魔法は光属性と闇属性を複合した魔法であたしでも複合魔法使えば無事でいられるか分からないほどに危険なものだからよ。それに元々あたしが魔力解放してから体が魔法に馴染んでいないんだからもう複合魔法は使っちゃだめよ!」
マリーは『エニィウェアゲート』を開く前にジョセフに念を押しながらジョセフに複合魔法『パープルサンダー』を使用することを禁じた。
(使うなと言われても使わざるを得ない敵に出会うかもしれないというのにそんな悠長にいられるわけないだろ!)とジョセフは内心思っていた。だが、リサをこれ以上悲しませないためにも使用頻度を極力避けてマリーに戦闘任せるのも手の内であろう。元々マリー自体個人プレイしまくりな人間であるためその辺の配慮はしてくれるだろう。
「ジョセフ様、これ以上一人で戦おうとしないでください。ジョセフ様はいつも一人何かを抱え込んで無理しているのは心を読まずとも感じ取れるものですわ……」
宮廷に戻った後リサと寝室で二人きりになりジョセフはリサに説教をされる。
「そうだな、俺は一人で戦っているわけではなかったな……リサの言うことは正確な評論だ。仲間の力を借りることということを普段しなかったからすぐにとはいかないが今後はリサ達のことを頼れるように努力するよ」
今まではジョセフのワンマンプレイだったがチームで戦うことの大切さというものがドラゴンとの戦いで痛感しマリー達が今頃誠達とどのような会話をしているのかが気になってしょうがない。ジョセフにもマリーのようにいきたい場所へ移動できる能力だったり魔法があればいいのにと思っていたのだがないものねだりしていても出来るわけじゃない。
リサと二人でベッドへと眠りにつきリサの小さな胸がジョセフの腕に当たるがもう慣れた。別にリサに欲情して如何わしいことをしようと思う程ロリコン趣味を持ち合わせているわけじゃないし「リサたんハァハァ……」なんて変態じみた妄想なんかはしない。というよりそんなことを妄想したら確実にドン引きされてゴミを見るような目で見られるに違いないだろうからだ。
リサがジンジャーくらい巨乳でもう少し身長が高く年上のお姉さんだったら考えなくもないのだろうが、二次元の美少女にも匹敵するほどの可愛さもあるわけでジョセフ自身満更でもなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます