第78話 チートすぎるだろ!(その8)
魔人族を名乗る中二病スタイルの男は一向に勝負を仕掛けてこないことにイライラしていたからなのか腕を組みつま先で地面を蹴りながらトントン音を鳴らしたりしていた。
「ハーレム野郎って……別に僕は好きでそうなったわけじゃないんだけどね」
「結果的にオタクの理想を実現させているじゃねえかお前はよ!」
誠は苦笑いをしながら佐藤夏樹を宥めようとしているのだが嫉妬が爆発した状態で
「君達、いつまでそうやってお喋りをしているんだ?この私がわざわざ殺しに来たっていうのに無視し私をコケにするとはいい度胸だ……いい加減にしろよ貴様ら!一人残らずなぶり殺しにしてくれる!」
さっきまで冷静沈着にしてそうな感じの魔人族は右拳を出し大きく口を開け怒号をあげる。
「『スパーク』!」
面倒くさそうな顔でジョセフは拳に『スパーク』を一点集中し魔人族の胸部に一発パンチを入れる。魔人族は5~6メートル程吹き飛び地面が浅く抉れ歯ごたえはあった。
「きっ、貴様~!不意打ちとは卑怯な……」
「お前のような厨二野郎に言われる筋合いはない!」
「何言っているか分からないが貴様が外道であることは分かった!」
魔人族は何を言い出すかと思ったら卑怯だ何だのと殺しに来たとわざわざ予告していながら一発『スパーク』で覆われた拳で殴ったら急に感情剥き出しになっていたりとこの世界の住人の考えがジョセフには理解出来なかった。
「そもそもが俺達を殺しに来た奴ぶん殴ることのどこが悪いんだ?敵意剥き出しになってる奴にハイそうですかと殺されろとでも言いたいのか?」
「ふん、どのみち貴様のヘナチョコパンチなど効きはせぬわ!早速貴様が死ねぇ!ぬぁぬ……」
魔人族は右掌を出し魔法を発動をしようとした瞬間、胸部に激痛が走ったからなのか胸を抑えながら膝をつき蹲る。
「貴様……毒でも仕込んだか?」
「お前の肺の動きを狂わせただけさ。だがお前本当はそんなにダメージないだろ?油断させといて俺を殺すタイミングを見計らっているのもバレバレだ……」
「バレていたか……だが貴様の攻撃は本当に肺が潰れるところだった……この私にここまでのダメージを与えられた人間は貴様が初めてだ。死ねぇ!」
魔人族は今度こそジョセフ達をまとめて殺すつもりで右掌を出し魔法を発動しようとするも「日本人パ~ンチ!」と佐藤夏樹は大声で叫びながら魔人族の顔面にパンチをお見舞いする。
またもや魔法の発動を邪魔されたと魔人族はカンカンに怒り「いちいち癇に障る野郎どもだな!卑怯者共が!」と言葉遣いが汚くなり始める。某バトル漫画のあのキャラのように。
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